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キャンパスに侵入する樹木たち その2 東キャンパス


東2号館の北脇に樹高5メートルほどの樹木が育ち、枝葉を伸ばし、太陽光を遮り、周辺を暗くしています。これでは植栽されたツツジなどの低木の樹勢が衰えます。ヌルデはウルシ科の落葉の小高木で、伐採などの撹乱跡地にいち早く生育する代表的な先駆樹種です。土壌条件の良い場所に定着するとすばやく生育します。ウルシ属のなかまですが、触れてもウルシのようにかぶれることはないようです。秋にたくさんの果実を稔らせます。果実の表面にはワックスがあり、鳥にとっては栄養がありそうです。鳥に好まれるということで、食べられた果実のうち、鳥の体内では消化されない種子が糞と共に落ち、散布されます。

生長著しいヌルデ 秋、たわわに果実が稔る

梅雨時、樹木全体が樹木全体が花に隠れてしまうほどに、黄白色の花つけた樹木が目立ちました。旺盛な繁殖力を示すトウネズミモチは中国原産で、モクセイ科の常緑の高木です。日本には明治初期に渡来し、暖地に広く植栽されました。たくさんの果実が11月に黒紫色に熟し、枝は垂れ下がって折れんばかりになります。大量の果実は、鳥によって広く散布されているものと思われます。樹形は大きくなると枝が直角に張り出すので、庭木には不向きとされますが、成長が早く丈夫なので、侵入樹木とはなかなか気づかれません。

トウネズミモチの生長は速い 秋に稔った果実は黒くなる

東西キャンパスに生えるヤマグワを何度伐採したことでしょう。クワ科の落葉樹で、高さ3〜15メートルになります。葉に特徴があり、一つの樹木に展開する葉は、切れ込みのないものから、3〜5深裂するものまでいろいろな形があります。果実が赤色から次第に黒紫色に変化し、熟した果実を食べると甘酸っぱい味がします。子供の頃、食べた経験がある方も多いことでしょう。鳥にとってもこの果実は美味しいらしく広く散布され、稚樹が多く見られます。

一つ一つの葉が違うヤマグワ 初夏に甘酸っぱい実が稔る

前号を含め2度にわたって、侵入樹木を紹介してきましたが、取り上げた樹木以外に、アカメガシワ、エノキなども目に付きました。侵入樹木とはいえ、伐採するに忍びないような樹木もありますが、「緑地管理計画」に従い、ゾーンごとの植生状況を把握し、管理作業をする必要があると思います。

佐藤征男(記)

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