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ガクアジサイ

ガクアジサイの花は小さな花の集まりです。たくさん集まって、一つの花のような集合花をつくります。さらに工夫を重ねて、周りを虫寄せの広告塔の役割を果たす装飾花を配しています。集合花の一番外側に比較的大きな花が一列に並びます。虫寄せ専門の装飾花です。種子をつくる本当の花は装飾花に囲まれた小さな花々です。装飾花は花の集まりの外周に並んでいます。その様子を額縁に例えて「額紫陽花」と名づけられました。
ガクアジサイの花は集合花

装飾花の花びらのようなものは、本来は花びらを支えるガクで花の部分は真ん中にちょこんとついています。この花は花粉もつくらないし、種子をつくれません。虫寄せ専門です。

本当の花は装飾花に囲まれた小さな花々です。よく見るとオシベやメシベそれに花びらがあります。装飾花が呼んでくれた虫が花粉の媒介をしてくれ、受精し、種子をつくります。役割分担です。

本当の花は装飾花の後ろに 本当の花はオシベ、メシベもある

江戸時代、シーボルトによってガクアジサイは欧州に紹介された日本生まれのガクアジサイはヨーロパ人によって、園芸的に改良を施されました。かくして誕生したのが「アジサイ(セイヨウアジサイ)」です。なんと中心部の本当の小さな花々はなくなり、装飾花だけのアジサイに生まれ変わりました。

セイヨウアジサイ 装飾花ばかりのセイヨウアジサイ

ヨーロッパのアジサイが今度は日本に逆輸入され、日本の梅雨時に赤紫から青紫の花を咲かせるようになりました。花の集りはすべて装飾花ですから、飾り物の花であり、性機能を欠きます。花粉もつくらなければ実を結ぶ能力もありません。その代わり、挿し木にするとよく根づきます。かくして、セイヨウアジサイは今では単に「アジサイ」とよばれ、これが日本本来のアジサイのようになりました。

 ガクアジサイの来し方に思いを巡らしながら、キャンパスの哲学の道を歩くのはいかがでしょうか。

佐藤征男(記)

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