5組  (松井 登美)

 

 御卒業四十周年を迎えられ誠におめでとうございます。故人の思い出話でもとの事でございますが、何分にも永い年月が立ちましたので、記憶も薄らいでまいりました。

 戦地に赴く少し前、ほんの一時期小池真登様と同じ隊で下宿も幾日か同じお家に同宿し枕を並べて過して居たことがありました。学生時代はボート部で仲よしでしたし、確かお務めも同じ神戸川崎汽船に入社して籍を置き一週間位勤務についてから、現役入営した様に記憶しています。入隊の時は別々の様でしたが、見習士官になって、部隊が甲府に移動してからと思います。くわしく憶えておりませんが偶然同じ隊に配属になった様でした。

 戦況がだんだん厳しくなって、一人二人と選抜で激戦地に配属され、小池様の方が一足早く戦地に出征された様でした。其の後南方の激戦地で御戦死なされましたことと洩れ伺っております。御冥福をお祈り申し上げます。

 今年は弟孝夫も沖縄で戦死して早くも六月二十二日が三十七回忌になります。この年に又皆々様に慰霊祭を行っていただけるのは、ほんとうにうれしい事でございます。

 きっと仲善しだった小池様共々手を取りあって皆々様のもとに馳せ参じる事でしょう。二人共言葉にならず、形にならぬもどかしさを感じながら……。皆様の友情にきっときっと感謝している事と存じます。
 皆様ますますの御健康と十二月クラブの御発展をお祈り致します。