日本海大海戦で話題を提供されておられる皆様
原田(S29卒)です。

山崎先輩の問題提起で、このような活発な議論を聞けるのは、大変嬉しく有意義なことです。

戦後の教育では、私達は第二次大戦の日本批判を学ぶだけでは物足らず、それ以前の歴史を否定的に学ぶことに専念してきました。国家への誇りを失わせ、国民への愛情を否定する論調が、長く頻繁になされてきました。

それ故、今年が日露戦争終結百周年に当たると聞かされて、危うく植民地にされそうな危機はたった百年前の出来事だったのかと思う次第です。
日露戦争に勝ったお陰で欧米の植民地にされずに、日本は自力で近代化の道を歩むことが出来たのです。
もし日露戦争に負けていれば、日本は列強に分割支配されていたでしょう。

その後、何かの拍子に植民地解放で独立し統合出来たとしても、私達は今日の私達日本人とは違った日本人になっていたでしょう。
何故なら、異民族に支配された国は、文化はねじ曲げられ、人々の意識は重層化し、共通の価値観を持つことが難しくなるからです。

異民族に支配された国々が、独立を回復し、国民統合を果たすのに、如何なる苦難の道を辿るかは、少しばかり歴史を学べばすぐ分かります。異民族間で征服と被征服が繰り返された西欧諸国では、今でも一国内で屡々民族や宗教で対立が先鋭化するのをよく見かけます。

アジアでも中国は、周辺諸国を侵略支配し、また長期間にわたり異民族に侵略支配された歴史を持っています。混交による文化の多様化は力の源泉と云う人もいますが、それは多様な文化に秩序が出来た場合であり、一国に
多様な文化が雑居したり対立していては国民の平和と安定はありません。

李登輝中華民国元総統は、民族、宗教、文化で統一されている日本は地球上で一番恵まれた国であり、羨ましいと云っていました。

近世において列強の世界支配が進む中で日本の社会と文化は破壊されずに済みましたが、私達がその中で生きていけるのは当たり前のことと感じているとしたら、余りに脳天気な人達でしょう。
歴史に学ぶとは、祖先や先輩達が今の私達に残してくれた、このような素晴らしい遺産に感謝すると共に、彼らの偉業を称えることです。
そして日露戦争の勝利を想起することは、本物の愛国心を呼び覚ます良い契機になると思います。