如水会ゝ報
平成6年(1994)7月
No.771
p28

第九回
如水会ジュニア・
フェステイヴアル
(JFー9

内容 

第一部 対談
「時代を乗っ取れ!!〜新しい生き方の発見〜」

小池百合子氏
岡本 行夫氏(昭43経)

第二部 懇親会

日時 
平成六年五月十八日(水)午後七時−九時三十分
場所 
如水会館 スターホール、オリオンルーム

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卒業パーティーの続きはジュニア・フェスティヴァル。

今年も多数の新如水会員を含む若手会員がここ如水会館に集い、

第九回ジュニア・フェスティヴァル(JF‐9)が開催されました。

今回から
JF委員会も
馬場前委員長(昭61社)から、中委員長(平3経)にバトンタッチされ、
先輩の意気を引き継ぎ、
さらにJFを盛り上げていこうという気運の中での運びとなりました。
折りしも政治において55年体制の崩壊、
あるいは日本的経営慣習の見直しが行われるなど、
時代はまさに転換期を迎えています。
また同様に個人においても何らかの転機を迎えている人
、これから迎えようとしている人がいると思います。
この転機をいかにキャッチし、
自分をさらに高める生き方ができるか、
ということで今回のテーマは

「時代を乗っ取れ!!〜新しい生き方の発見〜」

単に時代に合わせた生き方ではなく、
時代を創造できる生き方が求められています。
第一部に登場のお二人は、そういう意味でまさに我々の先駆者。
一時間半があっという間に思えたほどの熱気の中、
貴重なお話をご披露いただきました。



この日迄、
社会の各分野で一番重宝がられ使われている世代のJF委員は
オルグとして夜の七時、八時より或いは土曜日を割いて
延十四回もの会合を重ねてきました。
動員作戦の最後は電話、ファックス攻勢で
二百名の目途がついたのが開催の二日前でした。

午後六時半、
実行委員が持場に分れて待機する中、
如水会館には仕事を終えた若手如水会員が続々と集まり出しま
す。
二階フロアーでは、あちらこちらで再会をなつかしむ声が響き、第一部の会場であるオリオンルームにつながっていきます。
今回は小池百合子さんの登場とあって女性の姿が多く見られました。
実は岡本氏かもしれませんけど・・・。



定刻七時に司会の神崎委員(平3社)の紹介で、
小池百合子さん、岡本行夫氏(昭43経)の登場。

小池さんに関しては、来場は心配されていたところなのですが、
市村氏(昭63社)の支援により、無事に会を進めることができました。
いよいよ第一部のはじまりです。

まず最初に中委員長の方から
「人間はただ他人とのコミュニケーションによってのみ、その行動を加速できる、
この機会を大いに活用してほしい」
とJFのメッセージを込めたあいさつがありました。



対談は小池さんのお話からはじまります。
「本日のテーマを見て、
確かに自分は激しい生き方をしてきたものだと思います。」
小池さんの容姿からはあまりそんな様子は窺えませんが、
話を聞いていくうちに納得された方も多いと思います。

小池さんは高校時代に
当時の女子大生の就職難の問題や人間の生きがいを考えて、
組織に依らず、自分の手に職を持つことを決意、
アラビア語が国連の公用語になるという記事を目にされ、
アラビア語の通訳を目指しカイロ大学に留学されます。
それからアラブでの仕事が始まり、
留学時代を入れて十年間、
通訳、コーディネイターとして活躍されます。
相前後してテレビの仕事も始め、
アシスタント・キャスターとして
十三年間毎日レギユラーの生番組を持たれたということで、
会場は思わずため息。
そして、アラブを通じて経済に目を開いていき、
報道の仕事を通じて今回のバブルを考えたことが、
政治に進まれるきっかけとなったということでした。

終始ていねいな口調は変わらなかったものの、
その歩まれてきた道は若手如水会員に非常に新鮮に映りました。
また生き方について、十年単位で目標をシフトし、
自分を高めるようにしてきたこと、迷った時は前に進む。
ただし大きな目標は小分けにした上で、
5W・1Hを人生に当て
はめて実行したこと、
テレビキャスターを通じ会った人が三、四千人いて、
そんな中で自分の周りにできた人の輪が最大の財産となっていることなど、私たちが今後生きていく上で有効な助言となる話をされました。



次は、私達の先輩でもある岡本氏。
すっと立ち上がるとともに太い声が場内に響き、
私達は一瞬で吸い込まれていくような感じでした。
もちろん声だけではなく、話の内容も私たちを引き込むものでしたが、
オフレコでという前提のため、
残念ながら詳細は割愛させていただきます。

そういう意味でも
本日来場された会員は非常にラッキーだったと言えるでしょう。

ここで岡本氏の略歴を述べますと、本学卒業後
外務省に
入省、北米第二課長を着後に平成三年退官。
現在岡本アソシエイツ代表取締役として、
国際コンサルティングおよび外交評論家として御活躍中です。
テレビ等で御存知の方も多いと思いますが、
実は小池さんとはカイロ時代からのお知り合いだそうです。



岡本氏は日本社会においてプロとアマの差のないことを指摘し、
プロの生き方について強調されました。
本当のプロの仕事というものに若手会員はうなづくことしきりでした。
また転機を迎えられた理由として
 「プロとしてさぼり始めた自分に気づいた、仕事の流れが見えすぎるようになっていた、誰のバックアップもなく自分の人生をかけてみたかった」
と述べられ、
自分の生き方についてもプロに徹
している姿勢は、
言葉以上のものを私たちに与えていただいたと思います。



続いてはお二人のお話は、
何といっても共通のフィールドということで政治の方向へ。
国会におけるコミュニケーションの有無等、
まさに現在問題となっているところへと…。


最後に岡本氏から今後の目標を、という提言で、
岡本氏自身は
「日本社会がもっと正確に海外に伝えられるように本を執筆していきたい」、

また小池さんは
「日本の政治システムの見直しを行いたい。そうしなければ世界が変わっていく中で日本だけが取り残されることになる…」
とそれぞれまとめられました。




質問をいれて一時間半、
当にあっという間に過ぎてしまい心残りだった会員も多かったはず。
今後、自分たちの人生をより魅力的なものへと高めていくとともに、
その生き方を通して新しい社会を築いていくこと、
これこそお二人に対する最大の謝辞となるような気がします。
JF委員会もその実現を目指し最大限の努力を惜しまないつもりです。



さて第一部の余韻が残る中、
場所はスターホールに移り、
第二部の懇親会へと続きます。
おなじみの川田食堂運営委員長 (昭19学) のあいさつ、乾杯に引き続き、あとは自由な語らいの場へと場内は変わっていきました。
懇親会まで残られた小池さんと岡本氏の回りには
積極的な参加者
が押しかけ、
さながら第一部が続いている様子。
他では、それぞれの輪の中でのコミュニケーションがいつまでも続き、
ひっそりと静まりかえった一橋講堂を横に、
如水会館は往年の喧騒を偲ばせるかのようでした。

第九回ジュニア・フェスティヴァル、定刻を少し超えて無事終了です。

最後になりましだが、
如水会食堂運営委員会 (川田委員長、山内委員)ならびに事務局の方々には多大な援助を授り、
本当にありがとうございました。

如水会ならではの、
このシステムを今後ともより有効なものにしていくことを誓い新たにしながら、御報告を終わらせていただきます。
(巻頭写真参照)
(実行委員・会報担当 高橋)
参加者 (敬称略)