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■現在地:ホームリレーエッセイ

■リレーエッセイ

小唄雑感

長生松也(月崎博章:Dクラス)

 今朝、通勤電車で、鍵屋お仙見立絵解き「十六夜花泥棒」(山内美樹子著)を読んでいたら、大川にて屋形船に乗っての花火見物で、次の唄が聞こえてくる場面が出てきました。

粋な烏は 夜明けにゃ鳴かぬ  チョイトナ
野暮な烏は、めちゃに鳴く
ドッコイショと 飛んで来る
かあ かあ かあ

世話役会のT君から、メールにてリレーエッセイの原稿締め切りの厳しい催促があり、テーマをあれこれ思案していた矢先でもあり、格調高い42年会のリレーエッセイを汚すことになりますが、小生の趣味についての閑話でお茶を濁すことをお許しください。
上述の唄が、たまたま読んでいた時代小説に出てきたのをきっかけに今回のエッセイの内容を決めたのは、20数年前に小唄を習い始めて3曲目に憶えた題目であり、大変思い出深いものだからです。

○小唄との出会い
20数年前の初夏、広告会社の営業部長として大手化粧品会社を担当していた小生に、後に社長になられる広告担当の常務取締役から、「サラリーマンも週1回ぐらい昼間にちょっと息抜きするのも大切よネ」といわれました。これが小唄世界に引き込まれる第一歩でした。
常務は創業者一族であり、実力からも将来社長といわれておりましたので、昼間に会社を抜けて稽古に行くのはなんのその。方や一介のサラリーマン。「涼しくなったら考えます」と逃げを打ちました。
ところが、忘れられることなく、秋に入ったとたんに秘書の方から「常務がお呼びです。今度の水曜日のお昼においでください。稽古場にお連れするそうです」、「ハイ、お伺いしますが、どうしたらいいでしょうか?」、「嫌なら後で断られたらいかがですか」、「そうですね・・・」。
連れて行かれた銀座三越の地下の稽古場で、「では、私のお稽古を見学していてください」まではよかったのですが、稽古が終わったとたんに「今日お金お持ちですか? 入会金8千円、月謝2か月分1万6千円」、「ハイ、持っていますが・・・」で、天下の常務取締役が自ら小生の2万4千円を持って申し込みに行かれてしまい、否応はなし。結局あれから20数年も続いてしまいました。しかし接待など仕事の宴会の座敷で唄ったことは一度もありません。今は名取で、小唄名は長生松也です。習った曲は120曲以上になりました。
10年前には、母がなくなる2年前でしたが、あの三越劇場で母の糸で唄うという最高の親孝行もできました。無理に引き込んでくれた得意先の常務には、足を向けて眠れません。           閑話休題・・・。

○小唄って何よ?
小唄と付き合って20数年間ですが、耳学問で申し訳ありません・・・。
上述の唄は、江戸時代中期の明和年間を時代背景とした小説に出てきますが、小唄は江戸末期の安政年間頃からの発生で、明治時代にかけて成長、完成し、昭和30年代に大流行したとても新しい三味線音楽なのです。因みに、上述の小唄「粋な烏は・・・」は、実は、江戸時代でなく明治時代に作られたものです。
江戸市民は、祭りが大好きでしたが、芝居も大いに楽しんだようで、芝居音楽が発展し、義太夫節、浄瑠璃が唄ものとして人気が高く発展していきました。常磐津、清元節は、この浄瑠璃の流派で、芝居(歌舞伎)音楽専門に発生した長唄も浄瑠璃の一流派です。
そのほか、短めで気軽に唄える端唄が生まれ、江戸市民の間でかなり流行ったようです。
いわゆる流行歌で形式は自由ですが、華やかな唄が中心で、三味線は撥を持って明るく楽しく弾きます。
この端唄の流れから派生したのが小唄で、清元節の天才少女が、粋と鯔背を織り交ぜて創作し始め、明治時代に完成させました。静かでしっとりとした曲が多く、端唄同様形式は自由です。小唄は舞台で唄う音楽でなく、少人数でお座敷で楽しんで唄うものなので、三味線は、いつしか爪弾きとなりました。爪弾きといっても、実際は爪ではなく右人差しの指先の肉で弾くので、やわらかく微妙な音色を醸し出します。
明治、大正、昭和と現在も各界の名士が作詞し、三味線の名手が作曲を続けています。
小生の最初の師匠(故長生松美家元)も6歳からこの道に入った天才で、350曲以上の作曲をし珠玉の名曲を沢山残しています。榎本武揚や、最近では石原慎太郎さんが作詞した小唄もあります。いい唄の文句は、みんなに引き継がれ唄われます。例えば、古い端唄の文句に小唄流の三味線を付けて唄われました。だから端唄と小唄は同じ歌詞のものが沢山あります。ただし、唄は微妙に、三味線は結構違っています。

○小唄の三味線
  昨年6月に会社の勤めを卒業したので、9月から従来からやりたかった三味線を習い始めました。
幸い三味線は母の形見が数本ありましたので、高額の三味線を買わずにそれを使っています。
邦楽は、西洋音楽と全然違い絶対音階がないということぐらいは知っていましたし、小唄の三味線は、間とかリズムが難しそうとか、漠然とした知識だけを持って習い始めました。
三味線は、確かに難しいのですが、とにかく面白い。何でこんなに面白いのかということを、3曲目を習っている時に気がつきました。なんと小唄の三味線は、唄の節(メロディー)を弾かない。これには、愕然としました。つまり、小唄の三味線は、唄の伴奏ではないということです。
20数年も小唄を習ってきたのにそんなことも知らなかったのかと言われそうですが、実は、小生も含め多くの方は三味線を聴いて唄うのでなく、糸の方の掛け声をきっかけに唄っているのです。しかも子供の時から知っている歌は、ピアノやギターなどの楽器の伴奏でメロディーにのって歌うに決まっていました。
でも、小唄は違うのです。それぞれ独立した節回しの唄と三味線の掛け合いによって、具体的には、唄の文句と節と、三味線の間と節と音色のコラボレーションによって、音楽として表現され、小唄となり、江戸趣味の粋と鯔背が醸し出されるのだと思いつきました。しかも、三味線が主で、唄が従であるということです。
この解釈が、正しいかどうか分かりませんが、洋楽の知識しかなかった小生にとって、とっても不思議な世界です。邦楽は、数学的な西洋音楽と違って、非合理的で感覚的であり気分的な音楽といえるのではないでしょうか。だから、唄は下手でも音痴でも構いません。三味線との掛け合いを自分で楽しめれば良いのです。
と、考えながら、今月からやっと5曲目の三味線を練習しています。「調子三年勘八年」(勘=勘所)といわれる三味線。人前で弾けるようになるのは、しかも弾き語りで楽しめるのは、古稀を過ぎてかしらん。

この五月、某日某舞台で、小唄を唄います。世話役会のH君が「聴きに行くぞ」と、言ってくれていますが、小唄は短いものです。今回の小生が唄う題目は長い方ですが、それでも3分45秒です。しかも一曲しか唄いません。このためにわざわざ遠方より来て聴くほどのものでなく、あまりにもばかばかしい。と、いうことで、
五月に唄う「夏景色」の文句を最後に載せますので、それでどうかご勘弁。

 

初夏と祭、粋と鯔背・・・

以上
    29 「農的生活をめざして」 後藤 守孝(Iクラス)
28 「三宅島緑化再生事業に参加して」 湯川 敏雄(Hクラス) 27 混声合唱団「響」チェコ演奏旅行記(最終回) 阿部 祐一(Iクラス)
26 混声合唱団「響」チェコ演奏旅行記(2) 阿部 祐一(Iクラス) 25 混声合唱団「響」チェコ演奏旅行記 阿部 祐一(Iクラス)
24 「天使のピアノと美智子皇后」 春本 榮三 (Iクラス) 23 水と水道のお話  中島 薫 (Cクラス)
22 「ヌシャガクの一杯」 吉澤 一成 (汽ラス) 21 「とても楽しい教授暮らし」 福島 清彦 (前期Dクラス 後期永原ゼミ)
20 −THE NORTH AMERICA−松本 正義(Eクラス) 19 旅を楽しみ、感じ、学び、思うこと 西村 周一(Lクラス)
18 バドミントンとの出会い、そして50年  杉本 伸之(Eクラス) 17 小唄雑感 月崎 博章(Dクラス)
16 人類の遺産(世界遺産)について 羽山 章一(Iクラス) 15 「坐禅の春秋」 柏田洋征(Iクラス)
14

「将棋と私」 井上 紘(Fクラス)

13 法律と「世間」あれこれ 川村 忠太郎(Kクラス)
12 若き世代を良導すべき年配者の責任 安藤 賢次(Jクラス) 11 よき時代の流れの中で 徳永 興亜(Gクラス)
10 中高年のデジタルディバイド 吉田 勝信(Fクラス) 9 「下流社会」 から見えてくるもの 國武 胤清(Gクラス)
8 森林インストラクターになって 佐藤 征男(Hクラス) 7 42年会誕生の頃 永井 孝彦(Cクラス)
6 「幹事職による役得」考 河井 征治(Gクラス) 5 「く・に・た・ち」・・あの頃のこと 岩下 久二男(Lクラス)
4 悠悠自適 増山 晴英 (Kクラス) 3 一枚の写真 高原 正靖(Lクラス)
2 アメージング・タイランド 檀上 正泰(Iクラス) 1 紀州のケンケンかつお 田所 保(Gクラス)
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