「品格のある国・キューバを知ろう」と懇談会

2015・11・10   山梨県北杜市    薮田剛由

 今年、アメリカ合衆国との国交回復したキューバは、今注目の国として、旅行会社は「問い合わせが、昨年に比べ3倍を超えている」と言っています。
 こうした中で、山梨県北杜市の大泉革新懇では、11月10日に「今日のキューバを知ろう」というテーマで、懇談会が行われました。
 私は、大泉革新懇から依頼を受けて、2009年1月の全国民医連のキューバ医療視察団のDVDを皆で視聴し、長瀬事務局長の報告「革命から50年『人間中心の社会が』が財産」(「いつでも元気」2009・5)を資料として配布、最近のキューバ事情を報告しました。
 当日は30名ほどの参加者でしたが、キューバの話は初めて聞くという方も多く、「共産党の一党独裁で怖い国だと思っていたが、どんなところか知りたいと思いました」「アメリカとの国交回復で、国のあり方が変わってしまうのではないか、心配だ」「国交回復をやるアメリカの狙いは分かるが、キューバにとってもメリットはあるのか」「どうしてキューバでは人間を信頼しているのか、本当に犯罪は無いのか」など、さまざまな疑問も含め熱心な議論になりました。
 私は、DVDでの医療視察団の報告にも触れながら、キューバの歴史をたどり、キューバの医療や教育の世界でも最高レベルの到達点、ホセ・マルテイやフィデル・カストロ、チェ・ゲバラ等がキューバ革命で目指したもの、一人当たりGDPが、日本やアメリカ合衆国の十数分の一という貧しさをどう克服していくのか、20世紀のソ連型の社会主義とは価値観の違うキューバの社会主義とは、自らの意思で立ちあがった不屈の戦いは今、中南米に広がり日本の戦争法案反対の戦い、アジアでの変化に広がっている事などを強調しました。
 そして、6年前にキューバに旅行した私の感想として、「キューバでは、ヒッチ・ハイクが主な交通手段である事に見られるように『人は信用しても良い』事になっている。」「『子どもは幸せになるために生まれてくる』が国民全体の常識になっている。」「キューバでは『資本主義以上の豊かさをもたらすものとしての社会主義』ではなく、『人間の営みに誇りを取り戻せる社会、人のために尽くす事が自らの誇りである社会』をめざしている」と紹介しました。
 私たちが一緒に旅行した歌人が「いささかの抵抗ありし参加者も、旅の終わりは喜び分かつ」「現世に彗星のごとくキューバあり、ゲバラの思想脈々と繋がれゆく」と詠んだ事を紹介しました。
 そして、日本・キューバ友好協会への参加を呼びかけたら、申込書をほしいという方もいました。
 参加者からは、「これまでのキューバに関するニュースと全く違う話を聞いてびっくりしている。こういう学習会はとても良い」「キューバ国民の50年間の毅然とした戦いが、今日日本も含め、世界中に大きな影響を与えている事が、良く分かった」等の感想も寄せられました。