バルト3国の演奏旅行を終えて

亀井 滋

感謝
まず参加メンバー全員が一人も欠けることなく、ヴィリニュス、カウナス、タリンでの3回のコンサートを無事に終えたことを喜びたいと思います。メンバーの中には必ずしも万全の体調ではなかった方も居ましたが、なんとか乗り切ることが出来ました。メンバーの皆様ありがとうございました。
またソリストの皆様(小沢さん、和田さん、幾田さん、松田さん、池田さん、大畑さん、鈴木(堅)さん)、きちんと役割を果たしていただき、ありがとうございました。
そしていつも変わらぬ素晴らしい伴奏をしていただきました中野先生、ありがとうございました。

演奏の出来
さて肝心のMGCの演奏の方はどうだったのか?私個人の感想ですが、3回ともまずまずの出来ではなかったかと思っています。点数を付けるとしたら、少し甘いかもしれませんが、平均で75点から80点ぐらいではなかったかと思います。最初のヴィリュニスが、緊張感は一番でしたがなんとか頑張って80点、少し余裕が出て次のカウナスが85点、疲れが出てしまった最後のタリンが70点というところでしょうか。
いずれも聴きに来て下さった皆様にそれなりに楽しんでいただく演奏が出来たのではと思います。

まずまずの演奏が出来た理由
我々も頑張って練習した成果、そしていつも変わらぬ中野先生のピアノの腕のおかげではありますが、ほかに次の3つをあげることが出来ると思います。

*共演団体の合唱のレベルの高さ
*聴衆のレベルの高さ
*会場の良さ(音響、ピアノ)

共演団体のヴィリュニス男声合唱団VARPAS、カウナス混声合唱団CANTICA とCANTATE DOMINO、タリンのTALLIN工科大学OG合唱団ともにレベルの高い合唱団でした。
ヴィリュニスのVARPASはフルメンバーではなかったとのことですが、とにかく一人一人の声量がすごい、特にベースの低音。これぞ男声合唱という響きの歌声でした。唯一の難点はT1に一人で三人分ぐらいの声量のおっさんがいて、彼の出来に全体が左右されてしまうような面があったことぐらいでしょうか。

CANTICAはカウナスの音楽学校の生徒の合唱団で、透明感のある若々しい、ビブラートが全くかかっていない、ピッチのそろった歌声が感動的でした。混声合唱団ですが男声はテナー2人、バス1人の3人のみでしたが、ちゃんと混声合唱になっていました。

CANTICA DOMINOは大人の混声合唱団ですが、こちらも女声に比べて男声は半分以下の6人でしたが、よく調和した素晴らしい混声合唱を聴かせてくれました。リトアニア来訪予定のローマ法王の前で演奏するために普段より練習回数が多いタイミングだったそうで、よく声が出ていました。

両団体ともアインザッツがそろい、フレーズの終わりがそろい、各パートピッチがそろい、従って良くハモルという、MGCで私が常に目指している目標を実現していました。また両団体ともブレスが深く、長いフレーズを一息で歌う能力を持っていました。田中先生の40秒うがいをサボらず続けなければと思った次第です。

ここでの合同演奏は総勢60名を超える大合唱となり、聴衆に大受けの様子がビデオに残っています。是非ご覧下さい。ただ両団体を指導しているDaugela氏によると、もう少し男声を増やしたいとのことでした。(幾田さんの報告にあったようにMGCから10人ぐらい残ってほしいと冗談を言っておりました。)

エストニアのタリンのタリン工科大学OB合唱団は体格の良いおばさんが多い集団でしたが、やはりまっすぐな透明感のある歌声で、エストニアの高名な作曲家Tormis氏の難曲をみごとに歌い上げていました。ここの会場は少し席に余裕があり、MGCメンバーも席についてじっくり聞くことが出来たので、演奏を楽しむことが出来ました。

これらのレベルの高い共演団体のおかげでMGCメンバーにも気合いが入り、なんとか負けない演奏をしようと言う意気込みがそれなりの演奏につながったと思います。

そしてどの会場でも聴衆のレベルの高さが大きな力となりました。良い演奏への反応の良さ、合唱を楽しもう、聞いてやろうという意気込みを十分感じ取ることが出来ました。合唱大国の実力を感じました。

MGCの演奏曲の中ではやはり居処が受けたことはうれしいことでした。タリンの指揮者Selke氏は日本の民謡とエストニアの民謡には、かけ声、足踏み、繰り返し、掛け合い等似たところがあるといっておりました。共に労働歌であることを考えれば納得できます。
またこの会場にはエストニア在住の日本人合唱指揮者倉橋亮介氏(今年の5月に東京での東海メールクワイアのコンサートで、エストニアの合唱音楽の指揮を客演しておられました。)が来ておられ、感想をお聞きしたところ“まあ、良かったです”とのことでした。社交辞令を考えると微妙な表現ですが、それなりに聞かせることが出来た演奏だったと勝手に解釈しております。エストニアとの今後の交流があるとすれば、倉橋氏の役割が大きいと考えております。

最後に演奏会場についてですが、どの会場も100名から150名ぐらいのほどよく小さな会場でしたが、残響が長く、よく響く会場でした。(前回の中部イタリアのショッピングセンターのことを考えると、本当にえらい違いでした。)こういう会場では縦の線がそろわないとひどい演奏になってしまいます。MGCはなんとか持ちこたえたといったところです。
また各会場ともそれなりのピアノが備えられており、日本の歌の美しいピアノ伴奏をいつも通りの中野先生の伴奏で歌うことが出来たのもありがたいことでした。
少し残念だったのは、最後のタリンでのコンサート以外はお客様が会場のキャパシティーをオーバーしてしまい、MGCも共演合唱団もお互いの演奏を席についてじっくり聞くことが出来なかったことです。少し贅沢な残念ではありますが。

参加メンバーの皆様、今回の経験を生かし定演では100%の実力を発揮できるよう、頑張りましょう!

不参加の皆様もよろしくお願いいたします。

                                亀井




<団員のコメント>

小澤 荘二

今回の演奏旅行・指揮まことにご苦労様でした。

貴兄の言われるように、相手の合唱団およびレベルの高い

聴衆のおかげもあり、少数ながら歌っている我々もある程度

満足のいく演奏ができたと感じています。

常に笑顔で指揮をしてくれた貴兄に感謝です。

タリンで倉橋氏が来てくれたとは知りませんでした。

何かの時には役に立つ人だと思います。

ご苦労様でした。