PARAGUAY
Travelling Period : 04 Mar - 15 Mar,2004
Traveller : KOKETSU Yusuke
正式国名 | パラグアイ共和国(Republic of Paraguay) |
国土面積 | 406,752平方km |
首都 | アスンシオン |
総人口 | 530万人 |
公用語 | スペイン語、グァラニー語 | 通貨単位 | グァラニー(PYG) |
国番号 | 595 |
パスポート残存期間 | 入国時6ヶ月以上 |
ビザ | 不要 |
電圧 | 220V |
周波数 | 50Hz |
電源プラグ | A/C/SE |
お昼に、豪華シュラスコ料理をたらふく食べ、牛肉でおなか一杯の状態で、バスに揺られてパラグアイ国境に向かう。ここでは、地域住民の便宜を図って、パスポートやIDカードなどのチェックをしていない。だから、どの建物がイミグレオフィスかわからない。なんとか、ブラジル、パラグアイ両方のスタンプをもらってパラグアイ東部の都市、シウダー・デル・エステに到着した。英語に直したら、city of eastである。こんなことはさておき、パラグアイは見所がないときいていたので、トランジット程度での滞在である。よって、すぐに首都のアスンシオンを目指し、バスターミナルに向かった。この街は夜になると治安がめちゃくちゃ悪くなるらしい。国境の町なんてそんなもんだ。タクシーでバスターミナルに向かう途中、いろんな出店を目にする。こんな風景は見たことがない。何か混沌としていて不気味だ。こんなことを感じながらも、バスターミナルに到着する。着くなり早々、バス会社の人間にアスンシオン行きのチケットを有無を言わさずに買わされてしまった。出発は二分後。さすが首都。バスが頻発である。しかし、水を買い忘れてしまった。到着までの六時間、どうやって生き延びようか。しかも、現地通貨持ってないし…
こんなことを思いながらも、バスは出発した。出発するなり、物売りが乗り込んできた。幸いなことに、水を売っているではないか!我先に水を買う。ブラジルの通貨を無理やり渡して、水をゲットした。このころは、まったくスペ語を理解していなかったのに、よく買えたもんだと自分に感心してしまう。その後も、アスンシオン到着まで、おやつとか、肉詰めパイなど、いろんなものを売りにバスに乗り込んでくる。また、道中にノートや教科書を持った大学生組が乗り込んでくる。ブラジルもそうだが、男も女もめちゃめちゃセクシーな服を着ている。タイトなジーンズにシャツ。露出がすごい。見慣れていない僕にとっては衝撃的な風景ばかりだ。
バスに六時間揺られて、ようやくアスンシオンに到着する。到着が夜だったせいか、少ししょぼい街にみえる。首都にしては、規模が小さい。バスターミナルに到着後、とりあえず、現地通貨の両替とボリビア(サンタクルス)行きのチケットを購入する。このボリビア行きのバスで、旅行最大のトラブルを背負うことになる。
さてさて、そんなことよりも、まずはアスンシオンでの出来事を書いていきたい。このあと、多少ボラれながらも、リッチなホテルに泊まる。毎回リッチなホテルに泊まれるのが、今回のなによりの楽しみである。ホテルに到着後、またまたリッチなレストランでご飯を食べる。レストランで5ドルぐらい使っただろうか。翌朝、アスンシオン観光を始める。恒例のはがき投函をすませ、街をくるくる歩き回る。博物館に入るが、規模が小さく、すぐに出てきてしまう。ただ、何もしないということが、自分自身にとって、大きなことだった。ブラジルを旅行していても、日本にいても、ずっと慌しく何かに追われているように走り続けていたので、こうしたことで気分が良くなった。こうした堕落の生活、一人旅ならではである。堕落しすぎも、これまた良くないが。さてさて、その日の夜に、もう一度バスターミナルに向かい、ボリビア行きのバスに乗車する。
バスに乗ると、なんと、飲み物と夜食のサービスがあった。夜食は、アルミの皿に盛られていてしかもめちゃくちゃ温かい米料理だ。機内食みたいな雰囲気だ。それも食べ終わり、しばらく走り続けると、警察官の検問に引っかかる。歩き方で、検問は良くあることと聞いていたので、何もおびえることなく待っていた。警察官は五人組で、二人がバスに乗り込んできて、手荷物と乗客の身分証チェック、そして残りの三人が外でバスの車体チェックと預け荷物チェック、あとは周辺の警備に当たっていた。警官はみな、警察の帽子、防弾チョッキ、拳銃を携帯している。不審なマネをすれば、すぐに公務執行妨害とかいうあらぬ罪を着せられることだろう。それに、こんなところじゃ、身寄りのない外国人を殺して山に捨てても誰も気づかないだろう。僕は、バスの入り口付近に座っていたため、チェックが最後となった。パスポートを差し出すと、今度は「バクーナ」と言ってくる。意味がわからない。親指を丸め、人差し指で腕の上部を指すジェスチャーをしている。「??」である。隣のボリビアの女の子も、同じく「バクーナ」といってくる。旅程を聞きたいのかな、とおもい、どうやっていくか、都市名を列挙しても、ただ向こうは笑うだけである。乗客まで爆笑している。そんなに笑わなくても…
もちろん、こんな不審者、すぐに下車させられる。すぐに、乗客から見えないバスのおしりの部分につれてかれる。ある警官が、バクナシオンと言う。もしかして、バクサネーション(vaccination・予防接種)のことか?警官が走り書きしてくれたノートにも、たしかに、Certific??to de vaccunacionと書いてある。英語に直せば、Certificate of vaccination(予防接種証明書)である。ようやく意味がわかって、ノ、ノ、ノ。と連呼する。そうしているうちに、マネーポーチがバレて、賄賂を要求するようになった。シンコ(5)といってくる。ただ、このころはスペ語をまったく理解していなかったので、警官が指を五本「パー」のサインをしてくるので、5000グアラニー(100円弱)を提示する。すると、向こうは「ありえねーよ」と言わんばかりに苦笑している。そうしていると、僕のマネーポーチを探り出し、勝手にドル紙幣を数えている。そうすると、勝手に10ドル札を抜いているではないか。「1.2.3.4.5」とゆっくり数えている。まるで罰ゲームだ。そうして、五枚だけ抜いていった。最初シンコって言ってたのは5ドルじゃなかったんか!としかりたくなる。シンクエンタ(50)も持っていくなんて…スペ語を理解していれば…せめて、シンコぐらいわかってれば…警官五人分…唯一救いだったのは、20ドル紙幣を持ってかれなかったこと。まあ日本で証明書つき黄熱予防接種を打てば50ドルじゃ済まないはずと心の中に言い聞かせて、必死に泣きそうな自分を説得する。その後、何度か、十数回か検問を通るが、毎回下にうずくまっておびえていた。バスに戻って、乗客にいくら持ってかれたのか聞かれ、答えると、「お気の毒に…」という表情をする。この日は泣きに泣いた…
翌朝、起きると、明らかに何もない、ただ、蚊と雑草ばかり生えているところでバスが停車する。異様な湿気と、悪臭。ここじゃ、たしかに黄熱常在地域であってもおかしくない。黄熱、打てばよかったとさらに後悔する。しかも、イヌもそこら辺にいる。狂犬病も打てばよかった…狂犬病については、海外に出るたびいつも後悔している。少したつと、バス会社の人が外に出るように促す。乗客が出国審査と教えてくれた。イミグレで、また何かされないかと心配になる。小さな小屋に一人ずつ入っていく。しかも、戸を閉じられるので、何をされても文句をいえない。しかし、名前を確認するだけで、審査は終了。僕のことを心配げな目でみてくる乗客に、笑顔を見せてみた
この後が長かった。蒸し暑い草原地帯をひたすら突き進む。途中でタイヤがパンクして一時間半ぐらい待たされたりした。そんな中でも、キンキンに冷えたジュースとお弁当が振舞われる。米と、牛肉の燻製のスライスのセットである。どうやら氷で冷やしておいたものらしい。本当に機内食みたいだ。そんなこんなでパラグアイのイミグレから10時間ぐらいバスで進んだところでボリビアの入国審査。滞在日数をスペイン語で聞かれたが、適当にジェスチャーをしてたら通じた。休憩時間に、男数人の乗客とスペイン語指差し会話帳で遊んでいると、予防接種証明書を見せてくれた。これ持ってなきゃダメだよ。って教えてくれた。この兄ちゃんにも50ドル持ってかれたって言うと驚かれる。予防接種を打たないこと自体が、南米ではどうやら非常識みたいだ。狂犬病も打ってるとか言ってたし。この後もまたバスに揺られて長時間耐えていると、出発から30時間したくらいでようやくサンタクルスに到着した。あとで「旅行人」のサイトをみてわかるのだが、どうやらパラグアイからボリビアに陸路で行くには予防接種証明書がいるらしい。打てばよかったー。