会議の口火は2クラスの小平さんから、題を「2006年以降の為替から見る国家破産と日本経済」ということでお話しをして頂きました。さすがに、学校の先生だけあり、資料・レジュメともに完璧に用意され、飲みながら良いディスカッションとなりました。詳細は獅子会HPにも公開致しましたのでご覧下さい。
概略の基調報告は、
1。日本経済は既に財政的に破綻に向かってひた走る状況にあり、海外への国民金融資産の移動が始まっている。2006年以降は財政面で国債の増発が更に加速化され、GDPの1.7倍もの国・地方の債務が更に増加する。
2。かかる状況の中で、米国との見合いで見れば、FF金利が次第に引き上げられる方向のアメリカ経済の相対的優位性からも、円はドルにシフトし、ドル高円安(たとえば$120円)となる。
3。国債の償還時期がピークとなる平成20,21年頃には、支払い不履行とならないまでも、実質的に国債の暴落等により認知症的投資家群に大きな負担がかかることになろう。最悪の場合、かなりのインフレと増税により、国民負担が飛躍的に増えることになる。
これに対し、
1。為替動向はさておき、情報・技術が国際化している現在、国力の源は資源・人の確保であり、そのことが的確に行えるかどうかが問題であり、国家の意思が明確に問われることになるのではないか。
2。円安論については、必ずしも定着論として考える必要はない。一つの根拠はアジアにおける世界経済に占める位置が増大化し、日本の外貨準備高の急増(一頃の5000億ドルから8000億ドル)とその86%もの金額が米国債の買い支えに向かっている現状からみても、ドル売り円高のリスクはかつて経験した1ドル80円という水準から出現してもおかしくない。特に、中国元の切り上げと円は連動することを考えると充分あり得る話だ。
3。為替の話は、別としても、ペイオフ解禁で、無利子を覚悟しない限り銀行に多額の預金を置くことは危険であるとすると、最大のリスクヘッジは株式ということになり、リスクコンシャスな投資家は国債に向かわず、株式市場が大いに見直されてくることになる。
ご出席者は、水野 裕(14クラス)、小平民生(2)、中川 宏(14)、櫻井利夫(9)、保坂 証司(3)、草野 俊藏(12)、山田 功(12)、御宿
四朗(12)、古橋 稔(2)、滝本 泰行(9)、陶山 建二(1)でした。