原油価格の日本経済に及ぽす影響
5組 山崎 坦
一般に原油価格20ドルとは1バーレル20ドルということで、1KL(キロリットル)換算では125ドル80セントとなる。
円為替1ドル135円では、KL当り16,983円である。
原油を2億KL輸入すると(’90の輸入は2億2千5百万KLである)、3兆3千964億円となる。
円為替が1ドルにつき5円弱くなって140円になると、我国の年間支払は、1260億円の増となる。
また、原油がKL当り20ドル(バ−レル3ドル強)値上りすると、我国の年間支払は3兆5千億円の増加となる。
では、湾岸戦争で我国の原油輸入金額は、如何になつたか?をみてみよう。
まず単価の推移
’89年 16.72ドル/バーレル (14,453円/KL)
’90年 22,29ドル/バーレル (19,847円/KL)
輸入金頓では、次の通りとなった。
’89年 3兆3170億円
’90年 4兆8730億円
1兆5560億円増加した。
さらに’91年(平成2年)には前年・90(平成元年)比
1兆8千億円増となつている。
湾岸戦争の日本の追加支援額は1兆1700億円(90億ドル)で、この財源は石油臨時特別税(1・20円/KL)で賄うことになっている。
ところで我国には原油の他に石油化学の原料であるナフサその他石油製品の輸入がある。この石油製品の輸入金額は
’89年 1兆3910億円
’90年 1兆7470億円 であり
3560債円の増加である。
従って合計、’89年から’90年にかけて石油関連の輸入金額の増加は1兆9千億円にのぽるのである。
しかしながら、我国のGNPが400兆円にも達した今日、石油関連輸入増加1兆9千億円は、GNPの2日分にしか過ぎず,比率にすると0・5%の影響しかない。と。このような見解を、エコノミストや経済白書、通商白書は述べている。
日本経済全体からはそうであろうが、石油会社にとっては製品価格に輸入単価の値上りを容易に転嫁できない恐れがあり、業績悪化の懸念がある。
日本はいま、消費景気の行き過ぎで各種の弊害が発生している。
オイルショックの学習から年間消費量をおさえて2億KLを割ることが出来た(’70年昭和45年)というのに、
最近の平成景気は「熱さを忘れて」,’90(平成2年)には2億4千万Kを越えた。
(12月クラブ通信 1992年平成4年4月 第80号)
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(最近の環境問題・京都議定書の問題えと連続して行くのである。二酸化炭素排出量を2010年には1990年排出量の6%削減せねばならない。
現在、’90年比10数%増となっているので、さらに6%削減は容易ではない。
元々CO2排出量の増加は経済成長率即GDP成長率に比例している。
GDP成長率と石油消費量とも比例している。
従って従来の侭の効率で行くとすれば、CO2削減、マイナス、ということは、GDP成長率マイナスを意味する。
従ってアメリカは批准しない。
成長率マイナスでなく、成長を持続しつつ、CO2を削減するには、エネルギ−源の転換、効率の向上、植樹による酸素発生、(排出権獲得)などを推進せねばならず。
CO2を排出しないエネルギ−といえば、原子力発電で、京都議定書計画で日本が描いた計画では原子力発電所20増設であった。その後日本経済成長の鈍化により、より少なくてもよいような数合わせになったが、それでも13とかの様である。
自動車の方はノンエミッションカ−、ハイブリッドカ−と、CO2を極力排出しない車の開発に努力が払われている。
我々の寿命はその期限まで、もつか、疑わしいが、後輩諸君には、ご苦労をかけることとなる。
もっとも過去日本は、世界のどの国よりも巧に、度々、各種ポリュ−ションをクリア−してきているので、禍を福に転じる事になればよいと祈っている。
(2002・08・05山崎)