小平の思ひ出
        
                      6組 高木正治(神戸)
 
 最近ではもの忘れが甚だしく、小平時代のことは全く覚えておりません。
 唯、配属将校に小平の電車の中で欠礼し、教室まで後をっけられ、教員室に呼ばれ、教練の出席日数がこのままでは不足し、落第すると嚇かされ、一年落第ということになったわけです。
 亡き仁品 正君と授業をさぼって芋を掘り、焼芋にして食ったこと。又、寮の前のプールで氷が半分程張ったのを見、スケート靴を持出し滑っていたところ、氷が薄い所ではまり込み、売店で乾かしたことを思ひ出します。
 鈴木栄喜君の家に行ったのもその頃であろうと思う。寮の部屋で誰と同室だったかということも憶えておりません。
 仏語の時間にイグレック サトウといふことを憶えています。他はすべて忘れました。