七組 大橋 周次
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卒業後三十年をふりかえってみると、 われわれは日本の歴史に例をみない激動期に生きてきたと思わずにはおれない 。 日本は昭和十六年十二月国運を賭しての太平洋戦争に突入し、そのためにわれわれの卒業が繰り上げられたのだが、如水会で明治二十三年卒の大先輩平生釟三郎氏の力強い歓迎の辞に接したとき、四年後にあの惨怛たる敗戦の悲哀を嘗めようとは誰も予期しなかったことであろう。ところで戦後廃虚となった都市にほとんど栄養失調となった群集が食料を求めて右往左往していたときに、二十数年後の日本の復興した姿を誰が予想することができたであろうか。日本は敗戦によって世界の第四等国に転落した、と当時マッカーサーがいったが、今日の日本は世界第三位の経済大国に成長し、よいにつけ、悪いにつけ、世界中から注目されるようになり、風当りが強くなってきた。日本の経済成長について、同窓諸兄の貢献は大きかったと思う。 今日の日本は内外ともに多くの困難な問題をかかえているが、終戦直後の苦境にくらべると、問題の多くは急速に豊かにな り、カをつけたために生じた産物に相違ない。日本人は今後この繁栄を台無しにするような馬鹿なことを再びやらないように願いたいものだと思う。
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