一組  田辺 一男


想い出の数々、順序不同で全く断片的に・・・・入学のときにも消え失せぬ残雪。                                                  (二・二六事件の余韻)


小平と−橋寮の四季。

一橋祭。

峯間さんはじめ夫々風格のある諸先生の講議、午后三時授業終了、多摩湖線飛乗り、国分寺経由、国立、野球場、練習、入浴、 エピキュール、又もとの経路(即ち野球練習の日課)。

合宿(高崎、小田原等)。

三商大関西遠征(寝屋川、明石等)。

東都リーグ(神宮、月島、上井草等)。

卒業の年の秋、Aクラス達成。 野外演習(習志野、富士裾野)。

太平洋クラブ、満鮮経済事情調査団での一ヶ月間の鮮満旅行(団長石田竜次郎先生・城所君外)。

予科終了時の九州旅行(金子・泰地君と)。

就職決定直後の東北旅行(金子・野田・南君と、前科四犯と合宿したおかしな話)。

高文試験失敗の悲哀。

田中・吉永先生ゼミ研究報告のときの緊張感。

卒業式当夜、任地へ赴任の慌しさ。

太田(可)先生に「君はもっと感覚の世界に入れ」と云われたこと。

野球部長の増地先生から、試合が中盤を過ぎた頃「今、どちらが勝っているのですか」と聞かれたこと等々。

 
  卒業後、職場が変ること四度、既に五十才を越し、在学時の願望の大部分はもはや実現の見込みなし。たゞ幸に残った元気でこれからでも何か出来ればと思っています。

 三十数年、かわらぬ十二月クラブ諸兄の友情に深謝しています。