大迫千尋。比島で戦死した彼。府立一中出の秀才だった彼は、しかしながら悩み多い若者であった。都会育ちの享楽的な面もあったようだが、私とのつき合いでは、生きることの苦しみにあえいでいた。 「人間いかに生くべきか」とか、「人間いかに死ぬべきか」と、いまだに思い悩んんでいる私は、小平時代と余り変りばえがしない。彼が生きていたらこんな私をなんというだろう。