二組 瀬戸山 英太郎
 
  大学卒業三昔、人生五十年を振返って全く平凡に過したものだと思う。勿論樺太の国境まで行った軍隊生活、何度かの怪我病気は経験したが、卒業後就職した武田化成(現吉富製薬)勤務三十年、本春漸く経営者の末席をけがすことになったが、おそらくこのまゝ波乱なく年をとって行くことであろう。東京生活十四年、大阪生活十二年、時折の十二月クラブの会合で旧友に会うのが楽しみとなった。
 
  唯一人の息子は親父の平凡に抵抗したのか、波乱を求めて先日カナダのトロントに留学のため旅立っていった。十二月クラブ同志の張漢卿兄が昨年万博来阪の故に親しくなり、お世話になっている。同志の有難さをしみじみ感じている次第です。