一組  高木 哲夫

  卒業してから今年で三十年になる。其の間実にいろいろの出来事があったが、振り返って見れば、しみじみ時の流れは早いものだと思う。

 幸いに今の勤務先では息子達と同年輩以下の若い人が大部分で、嫌でも若々しく振る舞い元気を出さねばならない。私の場合第二の幸福は両親が未だ健在であることである。思えば本当に世の中の役に立つ働きが出来るのは我々の年輩からであろう。大いに元気を出して頑張って行き度い。
 
  予科入学直後、堀潮先生が「学校や校友会にindifferntであってはならない。」と訓辞されたことを今でも覚えている。
 
  戦争のために再度相見えるとのない友人の多数あることは痛恨に堪えないが、十二月クラブを通じ旧友と浮世の利害を離れ、旧交を温めていることは無上の喜びと感ずる。