左右田文庫
世界のカント研究家の羨望の的であつた
フアイヒンガア一文庫を関東大震災に失はれた
左右田博士は、
このことについて世界に封して責任を感じられたといふ。
この学問的良心は左右田文庫となつて
我々に遺された。
総数約七千、そのうちカントの著作及び研究文献が
八百を占め、更にカントを中心に集められた
哲学書は五千に近い。
永く未整理のままであつたが、
昨年来予科教授 太田可夫氏
の手によつで整理が進められ、
近く目録の刊行を見る筈である。