硬 式 庭 球 班


班長  杉本栄一
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--卒業生--

二木正治  瀬戸山英太郎  岡本不器男
国立学園に於る恩ひ出の六ヶ年に於て、
吾々の到底忘れ得ぬものは、
庭球班員としての明け暮れである。
合宿・試合・遠征、勝利の歓喜・敗北の悲哀、
眞夏のコートで流汗淋離の中で白球を追ったこと、
又年の暮も迫る頃蒲田に合宿して
震へる体よりセータ←をかなぐり捨てゝラケットを振つたこと等、
思ひ出は走馬燈の如く馳けめぐる。

 百名に垂んとする班員、
早慶に次ぐ関東の強豪たる班を眺め、
六年振りの帝大定期戦の快勝、高専大会全国制覇等を経験し、
豫科コート二面増設と合宿所落成をなし遂げて
卒業出来る吾々は、今幸福に酔ひつゝ、
しみじみ過去の苦難を懐ふのである。