寮生活の思い出
紫紺綾なす武蔵野の櫟林、茜さす小平の丘、櫻花乱るゝ小金井の堤に、
三歳の予科生活は洵、青春の齎した矛盾に満ちて居たであらう。
予科!それは私達にとつて、何と懐しい揺藍の地ではなかつたか。
或時は乱るゝ思想を抱きて唯一人、黄昏の雑木林を逍遥ひ歩いた。
津田の森よ、お前は私達に快き瞑想の宿を貸してくれた。
記念祭、クラス会、コンパ、ストーム。
思ひ出は限り無く私達の心に迫つて来る。
そして之等の過程は私達にとって歩まざるを得なかった真実ではなかったらうか。
三たび朔北の風吹いて、やがて国立へと移り住んだ。
しかも今や若さと力とをもち、清らかな理想を秘めつつ、遽しい雰囲気の中に、実社会へ摶かうとしている。
風雲正に蒼穹を翔けんとす。
共に歩みし六歳の一橋生活を顧みつゝ、誰か一抹の感慨なしと言へよう。
予科よ、師よ、友よ、武蔵野の森よ。さらば。
「北寮13号」 (クリックしてご覧下さい)
(編者挿入)
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