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較一がなくなりましてから、早や三周忌を迎えることにたりました。今回、卒業四〇周年の記念文集を刊行されるとの事、内聞いたしました。私は八十の坂を大分こえておりますが、まだ元気でおります。最近頭の体操の為と思い植物、食物のものしりかるたをつくりました。明治のにおいや、戦中戦後の、雰囲気があると思いますが、御笑いまでにお読み下さい。
記
植物、食物ものしりかるた。
いもで救わる食糧難。
いものお蔭で腹ふくれ。
ろばたの鍋や雑煮餅。
はなは桜湯菜の花びたし。
にがくても良し蕗の薫。
ほし柿串柿元は渋柿。
へちまは化粧の水と喉薬。
とうもろこし毛はり尿薬。
ちまき柏餅こいのぼり。
りんごいちじく腹によし。
ぬかみそ漬は家庭漬。
るす番一人でサッポロラーメン。
をしるこ相手にシソの実を。
わかめ汁の実笥と煮付。
かぽちゃやぽでもメロンの仲間。
よめ采つみて野に遊ぶ。
だい根の葉も捨てず使え。
れん根かぼちゃも天ぷらに。
そら豆そらにむいている。
つけ物上手は食すすめ。
ねむけさましに緑茶一服。
南天の葉エキス胃の薬。
ラッキョ玉葱ニンニク同類よ。
むぎ飯にトロロ汁は消化よく。
うまに人参パカパカ走る。
いも焼酎はさつまのお酒。
のり巻弁当は運動会。
おろし大根タカジアスターゼ。
くわい銀なん甘煮の材料。
やまのぶどうも酒になる。
まつ葉を敷いて霜ふせぎ。
けしの実アンパンの上にかけ。
ふのりはのりでも食べられぬ。
こえをよくする黒豆の汁。
こんぶ若芽は髪の素。
てみやげ草餅おばあさん。
あづきにエンドウ栗松茸御飯。
さぬきうどんにそばしなの。
きの芽筍鯛の汁。
ゆづ湯干葉湯(大根)にしょうぶ湯。
めびなも茄びなもひたあられ。
みかんの風呂はホッカホッカ。
しいたけかんぴょうすしの種。
えん足弁当にぎりめし。
ひの丸弁当中は梅。
ももは岡山水密桃。
せきどめに金柑の砂糖煮大根に水飴。
すぐりジャム毎と共に喜ばる。
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