あとがき

 

 1年位まえから、想を練って来た記念文集が、漸く発刊の運びとなり十二月クラブ全会員、
および御遺族のお手許にお届け出来る運びとなった。当初は果して会員が心よく寄稿して
くれるかどうかそれのみが心配であったが、締切日が過ぎると、一粒の麦どころか総寄稿
者200名を突破し、これは校正が大変だと、嬉しい悲鳴をあげた次第であった。紙面をかり
て、多忙中にも拘わらず心よく応募して頂いた友情に厚く感謝申し上げたい。校正しながら、
一字一句を読んでいると、そのどれ一つの文章にも他にない味わいがあり、人生への洞察
の深さ、知恵が覗れ、戦争、飢餓、敗戦、等他の世代にない苦悩を経験しながらも、その
文章にみちている、明るさ、希望、人生への愛情、そして自己を客観視している知性が、
滲み出ており、一つとして同一趣旨のものはなく将に万華鏡のごとく変化にとみ、人生その
ものである。なかには、とり返せぬものを失した方々の文章には、胸の中が推察され涙する
ものもあった。まさに記念文集として白眉と自負していいと思われる。十二月クラブ会員の
誇り、学識、友情、母校愛、団結心の結晶したものがこの文集であり、さらに50年、60年と
続く、道程の一つにならんことを祈念しつつ筆を擱く。なお、表紙、背文字、扉の題字は会員
杉原直門君を、口絵写真は横山健之輔君を夫々煩せた。


記念文集編集委員長    倉 垣   修

同      副委員長    韮 澤 嘉 雄

編 集 委 員
  (一組) ◎島 田 四 郎   鈴 木 貞 夫   村 井 秀 雄
  (二組) ◎佐 藤 幸 男   鵜 沢 昌 和   鈴 木 英 二
  (三組) ◎川 口 憲 郎   牧 野 知 久   戸 辺 勝 利
  (四組) ◎間 宮 健一郎   田 中 仁 栄   二 見 正 之
  (五組) ◎高 橋   勝    山 崎  坦    横 山 健之輔
  (六組) ◎鈴 木 栄 喜   武 村 貞 吉   仁 品   正
  (七組) ◎磯 部   誠    木 村 久 雄   佐 藤 丈 夫
        ◎鴨 田 保 美   長谷井 輝 夫   本 田 祐 治
                    (◎印は原稿集めの責任者)