1組 天谷 章雄 |
十年前の『波濤』に何を書いたかを見た処、やはり勝負のことであった。囲碁にしろ将棋麻雀にしろ、すべて自分の腕で勝ち負けが決まるので、武運つたなく破れてもやむを得ない。競馬競輪のような他力本願的なものには全然興味がない。参加することに意義があるからだ。七十過ぎてもまだ麻雀にうつつをぬかしていることを馬鹿にする人があるが、勝負の醍醐味がわからない人であろう。私はこういうファイトを燃やす勝負事が好きなのだからしょうがない。 老化現象をふせぐにはもってこいと言いたいのである。最近は老人ホームでも麻雀教室を開いている。指を使うのがよいのである。指を動かすことは頭の回転を良くすると言われている。プロの将棋指しが冬でも扇子を持ち、対局中パチパチやったり、マッチ棒をポキポキ折りまげながら考える囲碁のプロ高段者もいる。 家に居て面白くもないテレビを見るより外に出た方が良いと勝手に理由をつけて、毎日のように昼すぎから六時頃迄卓をかこんで指の運動をしている。 囲碁将棋は三時間もやるとつかれてくるが、麻雀は六時間やっても全然つかれない。私の体に合っているのであろう。体の続く限り止められない。 |