4組  岩波  薫

 

 芦田君の葉書をいただき、「生きてる証し」でも書いたらとのご親切なおすすめに感激して筆をとる事になった。

 卒業五十年、よくぞ今日まで生きたものだと思う。これも一日一日の、一事一事の積み重ねの五十年、後悔と自慢、悲喜こもごも、返り見れば多くの友情と努力に支えられて生かされ生きて来たのだと、今日あるを感謝するのみである。

 最近城山三郎氏の話をきいた。次代の二十一世紀へのトレンドを考えるより自らの生きる姿勢の方が大切だ、「人生どういう姿勢で生きるか、これが創造力の源泉でもある」と。

 今日も生涯の一日なり、一日の充実は生涯の充実なり。これをモットーに生死を神にお任せして平安の人生を送りたいと思うこの頃である。