1組故麦倉泰司妻 麦倉 則子 |
週末、ひとり中央本線を茅野へ向い、車窓から新緑に萌える景色を眺めながら、過日、クラス幹事の方より、卒業五十周年の文集にとのご依頼のお葉書をいただきながら、お詑びもせずに出掛けてしまいましたことを申し訳ないと思ってをりました。 昨日帰宅いたしますと、留守中に幹事さんよりお電話をちょうだいいたしましたとか、只今、大変当惑いたしているところでございます。 四十周年にも満たずして逝った人の、五十周年の思いを、何と申しましたらよいか私には分りません。まず何はともあれ、卒業五十周年、心よりお祝い申し上げさせていただきます。実はある方に、若し主人が居りましたら、何と申しますかしらとうかがいましたところ、李白の山中問答の中の「笑而不答心自閑」であろうとおっしゃいました。私の知らない主人の一面、さもあろうと、心の中で納得致しました。 私事にて恐縮でございますが、私は健康にて主人が存命中の時のまま、暮させていただいてをります。 終りになりましたが、近年ご他界されましたご学友方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。又、どうか奥様をお一人お残しになって逝かれませんように、御健康にはくれぐれもご留意遊ばされます様、皆様にお伝え下さいませ。 「幹事注」 |