歌舞伎観劇会

日時・10月14日
場所・三宅坂・国立大劇場

当月は「芸術鑑賞同好会」の担当で、市川猿之助一座による『競(はでくらべ)伊勢物語』の観劇とした。
当初「入場券」を35枚確保したが38名の申込者があり、幸、追加が出来たので安堵した。
「番組」「イヤーホン」「食事」の手配も滞りなく出来て、参加者一同大満足。

百二十年振りの通し公演とかで、さすがに歌舞伎通の皆さんも「プロ」に首っきり。
猿之助好みの演出に、いかにも新しい「骨寄せ」「大火災による屋台崩し」の舞台装置、得意の「宙吊り」のサービスもあり、若手を含む俳優連中も皆熱演で、ともかく面白かった。

終演後、例によって「有志」は、お隣りの「グランドアーク・半蔵門」の「特別席」での二次会で興奮を冷ましたことであった。                 (中村記)
[参加者](一組)新井・◆若柳・◆柳沢・○橋本(二組)○中島・○宮城
      (三組)○今村・○坂田・○川口・◆高橋・○戸辺・◆戸辺・○林
      (四組)柿沼・樽・○三吉・○望月・◆望月(五組)○韮沢・○和田
      (六組)○石井・○小坂・◆赤平・◆赤平・○鈴木・○武村・中村・◆奥野・◆稲垣・○松田
      (七組)○麻生・○魚本・片柳・兼子・◆箕輪・○橋本・渡辺・○渡辺(合計38名)
      (無印)会員7名(○印)準会員21名(◆印)客員10名 計38名
  



歌舞伎観劇会を終えて
                     芸術鑑賞同好会 新井 隆

二見君亡き後、成り行きで芸術鑑賞同好会の世話役となってしまったが、毎年何も出来ず過ごしてしまった。

本年は期初の計画で歌舞伎観劇を月例会に入れることとなったが、準備不十分のまま、あわてて手配を始めた。
二見君が国立劇場の団体係りに登録しておいてくれたことが幸して、電話だけで、直ぐ受付してもらえ、35枚の入場券を入手出来た。 更に後から計3枚の追加が出たが、これも同じ係員の計らいで難無く入手することが出来た。
芝居見物には番組とイヤホン・ガイドも欠かせない。世話役の方のお手数を煩わせたが、これらを買ったり借りたりする場所が、それぞれに散らばっているので慣れない人には大変な負担になると思い一括手当てした。
食事で座席予約出来るのは、和食堂の「十八番(おはこ)」だけ。これも会費に含めた。
 
お芝居は市川猿之助一座で歌舞伎の古典物であるが、しっかりした歌舞伎の芸に加えて、猿之助得意の「宙乗り」や、薄暗い舞台でばらばらな人骨が組み立てられてゆく「骨寄せ」、屋台崩し、舞台全体が本物の火事の様に燃えている場面の演出など見せ場も豊富。又最後の大捕物陣の場面では、いわゆる大部屋さんの連中が50〜60人、取り手として舞台を埋めるがその中心の連中が、梯子の曲乗りをしたり、長い槍を投げて取ったりの芸を見せる。決まったところで拍手が沸くが、主役に対してか、大部屋さんに対してかと思わせる程の大部屋連中の活躍振り。
大道具や大部屋さんの目立っ場所を作っているのも観劇を面白くしている。大道具係りや大部屋連中の張り切り方が伝わって来るような舞台であった。

最近の歌舞伎上演は、上演時間の関係などから、長い歌舞伎劇の中の特に見栄えのする、面白い場面のみを上演するのが普通であるが、国立劇場の定例公演では、この所、芝居の始めから終りまでを通して上演する『通し狂言』となっている。従って、今回の様に、舞台面や装置に変化が多かったのは、余り歌舞伎を観ておられない方々にも面白く観て頂けたのではないかと思う次第です。
 中村幹事長や世話役をして頂いた方々に厚く御礼申し上げます。