臨時総会・新年家族懇親会

日時 2月12日(木)自正午
場所 如水会舘スターホール

立春を過ぎて余寒あるも、晴天に恵まれた「如月の好日」。
定刻、水田副幹事長の司会で臨時総会を開会。

新年度の事業計画・予算案を審議、執行部提案を全員賛成で可決した後幹事長委嘱による「新年度の各委員会委員・同好会幹事氏名」及び新たに選出された「クラス連絡幹事氏名」の報告があって臨時総会は終了。

引き続き、恒例の新年家族懇親会を中村幹事長の挨拶と乾杯の発声で開幕。料理長心尽くしの献立による会食を楽しんだ後、今年の催しに入る。

今回は、一橋の名歌なら何でも暗じているという、お馴染みの「岡戸(旧姓小野内)葉子さん」をお招きし、たっぶりと名曲の数々を歌って貰うとともに戦前に発表され、未だに歌い継がれている『一橋寮寮歌』の歴史の勉強とお楽しみを兼ねた企画で、ピアノ伴奏は「角田昌子さん」。プログラムは先ず、「岡戸さん」の専門分野での伊・英の格調高い歌曲で始まり、

次いで中村司会者により、
寮歌『紫紺の闇』(依光良馨氏作詞、山岡博次氏作曲)・『故郷の春』(間宮健一郎[同期生]氏作詞、竹崎徹氏作曲)がわれわれ十二月クラブの会員が予科に入学した昭和11年に、
一橋の歴史上「初めて実施された全寮制度」のもとに「小平の杜」に建設された『一橋寮』の全寮生の投票による
「第−席」「第二席」の入選作であることが説明された後に、
岡戸さんに、声量豊かに、また実に正確に歌って戴き、
更に昭和12年の「第一席」当選歌である『離別の悲歌』 (依光良馨氏作詞、青木利夫氏作曲)が嫋々と歌われ、満堂を魅了し尽くした。

出席の準会員の夫人から『亡夫とは50年も連れ添っていたのに、こんな素晴らしい歌を唄ってくれたことが無かった。この時代に「自由の砦自治の城」「自由は死もて守るべし」というような文句が、よくも宥されたと思う』との飛び入りの発言もあり、司会者から、『保安当局からの「圧力」があったが、当時の「上田貞次郎学長」の断固たる支持があり、予科生は大いに歌った』との説明あり。

次いで『大正生れの歌』(この歌も残したい。)も「歌詞付き」で紹介され、歌われた。
 
更に引続き「水田正二君」作詞の『燕(つばくらめ)』と『夢』が唄われた。

『燕』は、同君がラバウルから帰還の船上で作詞したもので、敗戦によるショックで、船中に飛び交うあらぬ噂やデマ情報で、兵士の不安と焦燥が嵩まったが、この歌を連日歌っているうちに兵士達の心は沈静し、自殺者も出ず、全員無事に復員できたという効果があったことが披露された。
また『夢』は、同君がラバウルでの陣中で作詞したもので、望郷の念にかられる兵士を慰めた歌で、岡戸さん角田さんは、この日初めて手渡された楽譜を見事に歌いこなされた。一同、殊の外感銘しきりであった。
 
次いで日本の名歌『荒城の月』ほか3曲を「岡戸さん」のソロで堪能した後、
奥様方全貞が登壇して『冬景色』『浜千鳥』『椰子の実』『春が来た』を斉唱。

最後は会員の男性部隊が「韮澤君」の発声で『一橋会歌』を、共に声高らかに合唱して新年会を締め括った。
 
14階での二次会も、出演者を交えて40名を超える盛況で、西側の一区画を完全占拠し、午後4時を過ぎるまで、余韻を楽しんだ。

出席者 (一組)新井、鈴木、○橋本  (二組)○青木、○古田土、○中島、○松岡、○光永
      (三組) ○今村、浮洲、○塩田、○田島、○戸辺、◎戸辺
      (四組) 柿沼、○金井、○岸、樽、○中西、〇三吉
      (五組) ○井上、韮澤、同夫人
      (六組) ○石井、○小坂、中村、◎松井、○松田、山本(恒)
      (七組) 秋元、○麻生、岩本、○魚本、片柳、○木村、佐藤、同夫人、斉藤、同夫人、水田、渡辺
      
      [会員15名、夫人・〇準会員・◎客員26名、合計41名。出演者2名、総計43名]
                                                            (中村記)
註:左欄緑色バナー「一橋歌集」をクリックしてご覧下さい。