赤松先生の写真
Wed, 25 Feb .2004
山崎 坦 様
                      原田(S29卒)です。
若き赤松先生の写真をご紹介下さり有難うございました。
赤松ゼミナールと山崎先輩のアルト・ヒトツバシ2に 掲載された赤松先生の写真は初めて見るものです。
本当にありがとうございました。
12月クラブのホームページに今まで何回か訪問 しましたが、写真をじゅっくり見たのは今回が初めて です。
古い貴重な写真が、かくも沢山収録されているとは 知りませんでした。
これからも利用させて頂きます。 よろしくお願い致します。

Wed, 25 Feb 2004
原田さん           
                      山崎 坦(S16学後)です。      
赤松先生のこと、嬉しく拝読しました。 十二月クラブHP「卒業アルバム」「ゼミナール」「赤松ゼミナール」の項に、先生の卒業生に贈る言葉があります。
URL <http://www.mercury.ne.jp/dec-club/zeminaru/Akamatu/AKAMATUzemi.htm >
また同じ卒業アルバムからとったものですが「新論文・随筆」に私が「アルト・ヒト ツバシ2」と題してに書いた文に挿入した最後の写真に 報国隊・中隊長として赤松先生、上田(辰)先生、板垣先生、山田(雄)先生方が整 列させられているものがあります。 その筋のお達しで、悔しい思いをいたしました。
URL:<http://www.mercury.ne.jp/dec-club/sinronbun/AltHitotubasi.htm >
雁行形態論とは関係ありませんが、ご参考まで。

Wednesday, February 25, 2004
技術の継承について
佐々木さん、
                        原田(S29卒)です。
フジフィルムがフィルムのモデリング機能を搭載したデジカメを 造ろうとしているお話は、同社の面目躍如たるものがあります。 多様なフィルムを自ら開発、製造、販売しながら、それらの フィルムを不要にするカメラを造ろうというのですから。 先便で「技術の継承」が無いことを憂いておられましたが、日本 のメーカーがアナログ技術者を切り捨てたと貴兄がいう時期に、 丁度私は次世代素子の開発の仕事で大手メーカーの技術者の 方々と時々お会いする機会を持っていました。 日本の半導体メーカーはLSI 開発で成功を収め、超LSI 開発に 驀進していた時期でしたから、研究者の皆さんは元気溌剌で 技術の分からない私でも会話をしていて楽しかった思い出があります。

しかしその時、或る大手メーカーの研究所の所長さんは、「経営の トップは研究開発を理解してくれない、2〜3年で成果がでないと直ぐ 方針を変えて仕舞う、せめて10年は同じ事を続けさせて欲しい」と 言っていたのが印象的でした。 大学は象牙の塔に籠もり、他方民間企業は短期的な利益追求に 汲々としていたのです。当時、誰も今日の日本産業の苦境を予想 できませんでした。 「技術の継承」から離れますが、技術の敗北というと第二次世界 大戦における日本の軍事技術に対する固定的な思い込みを連想 するのです。可能性を信じて継続する意思がなかったためレーダー、 ソナー、触発破裂弾などで先を越されて戦場で敗れました。 一度目のレッスンで学びきれず、二度目のレッスンを受けているのです。

雁行形態論のお話を少し聞いてください。 日本の学者の悪口をいうとき、横のものを立てにして輸入している と言います。西洋の学問から学ぶのですからやむを得ないことでしたが、 何時までも続ける仕事ではありません。在学中に赤松教授から直接 聞いたのですが、学者の仕事というのは世界の学問資産にオリジナル なものを追加することであると。 赤松教授は途上国の産業発展のモデルを雁行型発展と言う名前で 1930年代に提唱されたと聞いております。戦後アメリカのヴァーノン 教授がプロダクト・サイクル論を発表し注目を集めましたが、中身は 赤松理論を製品レベルで説明した部分理論に過ぎないとの評価です。 その後、赤松教授の高弟の小島清教授が赤松雁行形態論を理論化して 発表してから赤松教授の名前は有名になったそうです。そして今では 雁行形態論はアカマツ-ヴァーノンの理論と言われているそうです。 (学問の世界とは無縁の人生でしたので、以上の記述は不正確かもしれません) 数年前、アメリカで活躍しておられる同窓の佐藤隆三先生(現ニューヨーク大学教 授、 日米研究センター所長)から聞いた話ですが、学者仲間でProfessor Akamatsu というと Flying geese theory の赤松かと返ってくるそうです。 母校は世界に誇れる学者を産んでいました。

Tuesday, February 24, 2004
原田様 こんばんは、
                     佐々木@平元商です。
不勉強にて雁行形態論なることばを初めて聞いたのですが、「本質的動向」 (我々の世代ではコアコンピータンスと英語になってますが)については100%同 感です。 残念ながらIT産業においては、特にソフトウェアでは日本はまだまだ欧米勢に 追いついておりませんが、今起きているIT家電(デジカメもそうですね)の覇権争 いでは挽回のチャンスがあるのでは、と信じております。 ただ、日本企業の欠点の 一つに多くのメーカが「技術の継承」という概念がないことが日本メーカの弱点で は、と常々感じております。 たまたま話題の中心がデジカメなので、デジカメを例 にとりますと、実はデジカメのCCDからはアナログ信号が出力されておりまして、 それをデジタル化しているのですが、日本企業は80〜90年代にアナログ技術者を 切り捨ててしまったため、アナログのチューニングが結局は欧米頼りになってしまう とメーカーの方から聞いたことがあります。 近い例ではオーディオも最高級とされるのは必ず欧米製品ですね。 しかしフジフィルムに私がもう一つ感心しているのは、フィルムのモデリング機 能を搭載したモデルがあることです。今はネガとかリバーサルとかアバウトな指定し か出来ないようですが、来年辺りには銀塩カメラでは到底出来ない一つの瞬間をPK M、PKR、フジ、コニカなど特性の違うフィルムで同時に撮ったかのような機能を 搭載したモデルに進化しているかもしれません。(私は個人的にはいろんなところで 誰かやらない?と煽っているのですが(笑) 音楽の世界ではフェンダー、マーシャルなど有名なギターアンプのモデリングは 常識と化しており、最近はエレキギターにコンピュータを内蔵し、一本で様々なギ ターのモデリングシミュレーションが可能な製品も出ております。 このあたりはデジタルで無いとできない「面白さ」ではあるのですが、やはり根 底に「本質的動向」が確立されているメーカの製品はやはり違うと感じます。 どこからどこまでが「本質的動向」で後はその「実現手段」であるか、デジタル 化の時代にはまた違った意味を持ってくると常々感じております。