俳壇往来
  
      4組 中西光枝

 
雪柳 ふぶくとき知る 里ごころ

無為の日の 刻をかたばみ 種はじく

花槐(えんじゅ) ほろほろはじまる 物がたり

騰りたつ 卯浪引き寄す 遠汽笛



しみじみと 雨しみじみと 桜散る

背のびして 独り歩きの 花薺(なすな)

目ざめ良き 朝の挨拶 白木蓮

秋ざくら 倖(しあわせ)いろの 待ち時間
 


生きるとは お任せすること 秋の空

萩の実に つなぐいのちの 風を聴く

愛の手を こばむ むかごの 五ツ六ツ