一橋の学問を考える会 「橋問叢書」
(あるいは「一橋の学風とその系譜ー1−、−2−」一橋大学学園史編纂委員会)
はしがき 委員長 小島慶三
「系譜」
は し が き
本委員会は、一橋大学創立百年記念事業の一環として設置された一橋大学学園史編纂事業委員会
(昭和五十八年三月解散)のあとを受け、その未着手部分を補うため、如水会の内部機構として設けられ、
今日までその目的に沿って事業を進めてきた。
一橋の学問史については、大学側の学園史編集委員会によって、すでに(昭和五十七月十二月)
一橋大学創立百年記念『一橋大学学問史』が刊行されている。
その充実した内容からみて、この面からこれに加えるべきものは無いが、学園の生活史という側面からみて、学問に結実した先生方の人格と背景、生き方と雰囲気、求真力と影響力など、いうならば人間味のある学風とその系譜について、この際残しておくべきものがあるのではないか、という意見が委員会でとり上げられた。
幸い昭和五十六年五月以来、新井俊三先輩(昭和十二年学部卒業)のご努力によって
「一橋の学問を考える会」が毎月一回開かれ、現在に及んでいる。
その内容がほぼ当委員会の企画に合致するところから、新井先輩に、資料としての、その記録活用方を申し入れたところ、快諾をいただいたので、昨年末までの大部分のものをベースに学風史を編み、大方の利用に供することとなった。
本来であれば、全体を通じて調整執筆すべきであるが、内容が多岐にわたり、分野に濃淡の差があり、
トーンもさまざまであるので、むしろその豊かな個性を残し、原型を尊重するほうが目的にもかなうと考え、
その趣旨での編輯を「考える会」にお願いした。
テーマの分類、順序は、「学問史」の例にならっている。
印刷に当たっては、紙数と体裁の関係上、前後の挨拶、行文上の重複、ある種の余話などを、当委員会の責任において省かせていただいた。この点講師諸先生のご宥恕を得たい。
なお「(2)経済哲学」中の「回想の左右田学派・その生涯と学説」第二部・第二部は、馬場啓之助先生の要望により、「考える会」の会員に配付されたものである。
最後に、貴重な資料を提供していただいた新井俊三先輩と「一橋の学問を考える会」に深甚な感謝の意を表すると共に、そのお仕事の発展を祈ってやまない。
昭和六十年六月十五日
一橋大学学園史編纂委員会
委員長 小 島 慶 三