一橋の学問を考える会   「橋問叢書 第七号」

一橋の法学を考える   一橋大学名誉教授 吉永栄助


ー 20頁より −
  <美濃部達吉先生と一橋

それから美濃部先生が憲法を講義されておりました。美濃部先生は兼任教授でございました。
もう皆さんの方がよくご存じかもしれませんが、
福田先生を博士に推薦いたしましたのは美濃部先生でございまして、
福田先生はドイツから美濃部先生あてにお礼の電報を打っております。
東京高商の先生のために、美濃部先生は東大教授会で非常にがんばってくれた方だったそうです。

美濃部先生の憲法講義は初期は一橋だけにありました。

私の学生の時、例の天皇機関説の弁明のための貴族院議院の演説がたたり世論が沸騰した年で、この年が最後の行政法の講義となりました。

レジユメの右の東大の欄には、海外の学界の主流の学者の名を列ねました。
サレイユ、ジェニー、オーリユー、ト ナール、ラートブルフと書いてございます。
この中でサレイュ、ジェニーは牧野先生が絶えず、有斐閣で出しております著書の中で紹介・引用しております。
それから、オーリユー、 ルナールは、米谷さんの制度法学建設の泰斗でございます。
ラートブルフは常盤さんの先生であります。
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