From: "K.OGURA"
Subject: HP(一橋の学風とその系譜)の感想
はじめまして。小椋と申します。
検索をかけていたところ、偶然にも「12月クラブ」のホームページにあたった次第です。
私自身は残念ながら一橋卒ではないのですが、父が大学院でお世話になっていたり、大学のゼミの担当教授が一橋の名誉教授(花輪先生)であったこと、現在の職場の元上司がやはり一橋卒であったことなど何かとご縁があり、色々議論等をさせていただいています。
今回、興味深く読ませていただいたのは、「一橋の学風とその系譜」です。経済学 と 経営学の分野についての生き生きとした講演録に目を奪われました。
講演録自身は 昭和50〜60年代の頃でしたので、私自身は幼稚園〜小学校時代で、経済学・経営学 が何ぞやと考える由もなかった訳ですが、今こうして読んでみても全くと言って良い
程 違和感がない。というか現在の経済事象等を追ってみても、鋭い指摘がなされている と感じさせる訳ですから驚嘆に値します。
講演された方の示唆に富んだ知見と、演題 に出されている研究者の面々の人間力が密度の濃い内容を生み出したのではないか と感じます。
最近、私が痛切に感じているのが、虚業・虚学が蔓延しているのではないかという 懸念。これは言いすぎかもしれませんが、どうも本質的な何かを度外視して物事が進
む傾向があり、もっと言うと逆に本質的なものを考えなければ考えない方がうまくい く みたいな風潮があるような気がしてなりません。
官や企業を問わずこう不祥事が続発 したり、若年層のフリーター・ニートの問題であったりを目の当たりにすると、資本 主義 経済というか経済学自身に何か問題・欠陥があるのではないかと常々思います。
日本だけの問題だけではなく世界的に人材が重要だと称しながら、実は人材を否定 しているのではないかとさえ私は思っています(例えば、機械化・IT化できるところ
は可 能な限りそのような方向で動き人員の削減を断行。
人員自体もクリエイティブな面を 極 力排除してパターン化・マニュアル化を進め、最終的には正社員→準正社員→非正社 員に切り替えていくことでコスト下げていく。など)。
表層的な経済合理性は取れて いる ように見えるが、生活の豊かさや人間力さらには地球環境という観点から見て実質的 にどうなのか、そんな事を日々考えているところです。
E.F.シューマッハーの「スモール・イズ・ビューティフル」を何度も読みかえして おり、 同様の考え方で絶対に日本の研究者の中にも探求していた人間が必ずいると感じてお
りましたが、なかなか表には出てこず(私の探求不足ということも多分にあります が)、 こうしてホームページ上で堅苦しい学説調ではなく、生に近い形で掲載されているこ
と に深く感謝します。このような内容の文を読めたことは本当に幸運であると感じてい ます。
膨大で大変な作業であったかと思われますが、これからも引き続きがんばっていっ て もらいたいと存じます。
長々と失礼いたしました。
小椋広太郎(Kotaro Ogura)