[俳 壇 往 来]

中西みつえ

福寿草 肩をよせあふ 一家族
すみれ咲く 金剛杖の 一歩より
ためらいも 気取りもなくて 野のすみれ
ひたすらに 道一すじに 風光る




黒石豊子

むづかしき 話は後に 柏餅
葉桜の 蔭に小さき 百度石
葉桜と なりて閑もる 道祖神
隅櫓 青葉の奥に 構えをり