[経済学研究の栞] から [恐慌]のところを抜粋してみる。
参考文献7冊読まねばならない。



第六章 経済史
 第4節 第十九・二十世紀経済史
  T 第十九世紀の経済発展
  U 産業革命
  V 産業革命の諸結果

    一、交通機関の発達
    二、貨幣制度と金融機関
    三、経済的自由主義の成立 


    四、恐 慌

 産業革命の結果たる工場制度は、ギルド時代の、特定の需要を目標とした顧客生産を不可能にし、その代りに不特定の世界市場を相手にする市場生産を必然的ならしめた。
このやうに、新しい生産技術、新しい生産組織に基いて恐ろしいテンポで増大する生産力と、これに対応する不特定な市場とは動もすると均衡を失して過剰生産を惹き起し易い。
況んや十九世紀の経済的発展期には、屡ゝ熱狂的な企業熱乃至は投機熱 − 例へば、運河熟 、鉄道投資熱、、サウス・シー・バブル等 − を伴ったために、その間の不均衡は一層鋭く現はれざるをえない。
かくして近代的産業恐慌が、産業革命のひとつの結果として不可避的となる。
イギリスでは、この種の恐慌が一八一五年以来、約十年の周期をもって殆んど規則的に循環したが、中でも一八二五年の恐慌は最も深刻であり、その影響の範囲も、単に英本国だけではなく、フランス。ドイツ等の大陸諸国にも及んだ。

 十九世紀産業恐慌も、その時代の経済史研究上、逸してはならなり分野 である。
  (1)Tugan−Baranowsi: Studien zur Theorie und 
  Geschichte  der Handelskrisen in England,1901.
  (2)H.M.Hyndman:Commercial Cricis of the Nineteenth   Century,1892.
  (3)M.Wirth:Geschichte der Handelskrisen,1974.
  (4)M.Bounistian:Geschichte der Handelskrisen in 
    England,1908.
  (5)T.Took:A History of Prices,1838. 
  (6)C.Juglar: Des Crises Commerciales et de leur 
     retour Periodique,1862.
  (7)S.Arwas:La Crise E’conomique de 1920 en France,
     1923.


   W 社会運動と社会思想