2009・12 | 「坂の上の雲」と私 5組 山崎 坦 |
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2010・01 所感 (山崎坦)
NHKは「坂の上の雲」を3回にわけて、3年がかりで放映の計画です。
2009年末第1回分(1〜5)は原作・文芸春秋社刊6巻本で言えば、第1・2巻に当たるでしょう。
今年末の原作第3巻以降は、原作を読むうち、日本の危うい運命は時時刻刻に如何に相成って往ったのだろうか、次は如何に切り抜けたか、と引き込まれてゆくのです。
やはり 原作を読んでいただきたいと思います。
そして映像は如何なりますか。年末を待ちましょう。
----- Original Message -----
From: yamazaki hiroshi
To: kaiinhiroba
Sent: Friday, December 04, 2009
Subject: 「坂の上の雲」視聴率
みなさん
十二月クラブ各位
山崎 坦(S16学後)
賑々しい宣伝をして[坂の上の雲」TVドラマが放映開始されました。
予てから 我国の現世相を憂れいているものにとっては、
是非原作「坂の上の雲」を読んで欲しい、
せめてTVドラマでも見て欲しい、と思っております。
それは”Japan as NO.1”頂点まで登った過去の日本の「初心」がそこにあると思って居るからです。
「初心に戻って」もっと「しまって欲しい」、その「初心」を見て欲しいと思っております。
ところが、VIDEO RESEARCH LTD.の視聴率調査を見ますと
このTVドラマ視聴率は民放3社の同時刻の放送視聴率18〜22.3%に次いで17.7%となっております。
この視聴率は如何なものでしょうか。
今の日本人にとって「坂の上の雲」は魅力はないのでしょうか。
日本の前途に失望するのはまだ早いのでしょうか。
皆さんのご感想をうかがいたく存じます。
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送信者: "joe_sakurai"
宛先: "会員広場"
件名 : Re: 「坂の上の雲」視聴率
日時 : 2009年12月31日
山崎様、ほか皆様
44社櫻井です。
本年最終日、今年は早かったという印象です。
この広場も久しぶりの投稿です。NHKは相変わらず、紅白をやっていますね。
あと、数時間で暦が代わります。
さて、坂の上の雲、1、2、3、4、5幕を見ました。
この作品にかける意欲は確かに熱いものを感じます。
視聴率が低い理由は色々あろうかと思います。
未曾有のデフレ不況、失われた20年が来年はどうなろうとしているのか、
先が見えない事による不安のもとでは今ひとつ「坂の上の雲」はタイトル的にピンとこない、といったことが想像されます。
吾々中高年層が意識的に考えなければいけないことは、若者の貧困の問題ではないでしょうか。
一橋の若者も無関係ではないとおもいます。
相対的貧困率の上昇傾向の中で若者が余裕を持てない、したがって「昔の話」に興味を持つ余裕もないのが現状でないでしょうか。
今回のテレビドラマが原作に沿った内容かというと、だいぶ違うのかなあ、と思いつつ見ておりましたが、
あらためて1−5幕相当のところを原作で見てみますと、かなり忠実に画いていることがわかりました。
その意味で、せめてTVドラマでも見て欲しい、というお気持ちがあたっていると思います。
ただ、原作を読んでいないとテンポも速く断片的な貼り絵細工のような、一貫した筋が見えないというつらさはありますね。
よく言われる、明治時代の日本人が持っていた気概は日露戦争までは良かった、
その後の昭和は慢心により太平洋戦争まで突入した。
敗北した原因は1億国民の痴呆化にあるという司馬史観は歴史の回顧として一定の説明力を持つと思います。
では敗戦後はどうかというと、
司馬さんが産経新聞にこの大作をお書きになっていた私たちの若い頃は、
高度成長期の所得倍増で物価は上がり土地に代表される狂乱物価がありました。
それが20年前のバブルの崩壊へと続くわけです。
当時の経済成長期には、労働組合幹部を指して労働貴族という言葉があり、
企業トップと組合トップによる阿吽の呼吸によって右肩上がりの経済成長が果たされました。
つかの間の1億総中流化という言葉も生まれました。
その後のバブル崩壊後は長いトンネルの中を、もうそろそろ出口かという期待感を持ちながらも、
期待と失望を繰り返しながら走っているという状態ではないでしょうか。
今の世相を見ると議員貴族による格差拡大という言葉が当てはまると思います。
格差の是正には、隗より始めなければ組織的・系統的に成果を望むことが出来ません。
非生産労働人口の極ともいえる公務員・特殊法人人口の肥大化、
採算を無視した特別会計事業に歯止めが一向にかからない現状、
先進国でも最悪の財政破綻国家、
何をとっても未来への展望が開けない現代です。
「坂の上の雲」の時代とは違って、
一応の発展、繁栄を謳歌する現代社会にあって、政権交代の中で若者は何がどう変わるのか、
全く目に見える展望も無ければ、どうして良いか解らないという現状ではないでしょうか。
ある意味、与えられるであろう、将来の「変化」にのみ興味があり、
過去の歴史は「関係ない」と割り切っていると思います。
いま民主党の政権奪取により、確かにあたらしい革命の時代という雰囲気がないわけではありません。
しかし、アメリカなどと違って、間接民主制という現憲法下のもとでは身体検査が十分でない者が総理となるため、
常に国民との合意・コンセンサス形成に苦慮し、結果、国民にとってももの足りません。
マニフェストの個別課題も大切ですが、
これから先のシナリオについて、もっと革命的で刺激的なものがないと「変化」にはならないでしょう。
このことに関連して、一つのヒント発言が最近ありました。
亀井金融担当相は27日午前のテレビ朝日番組で、
24日に皇居で開かれた天皇陛下と閣僚との昼食会の際に
「権力の象徴である江戸城(跡地)にお住まいになるのは立場上ふさわしくないのではないか。
京都か広島にお住まいになってはどうかと、陛下に一方的に申し上げた」と述べた。
この後、亀井氏は記者団に
「明治期に幕府の権力の象徴の跡に入られたことが、その後の歴史で政治利用みたいな形になってしまった」と指摘。
陛下は返答は避けつつ「京都は好きです」と応じたことを明かした。
私個人の意見としては、この発言は慧眼であろうと思います。
現代人が天皇制のあり方論を避けている姿・風潮は現代版の1億国民の痴呆化ともいえます。
明治維新においても、室町以来延々と錦旗を利用し続けた政権交代の歴史の中で、
徳川幕府から薩長政権に代わっただけであり、
戦後、マッカーサーの統治においても、この日本的「体質」を変えることが出来なかった。
いま人口が転換期にあり、経済も転換期にある真の革命は、
衆参両院で民主党が中心となって2/3以上の議席をとり、
憲法を改正し新しい現代に即した三権分立を図り国民主権の国家を樹立していく礎を築けるかどうかの1点にあろうかと思います。
自民党の復権は民主党の敵失程度では最低でも今後20年は無いのではないかという気がしています。
保守本流が旗印のままの党是では国民に相手にされないでしょうし未来もないでしょう。
現代社会が抱える少子高齢化、格差の拡大、福祉の停滞、偏る年金格差などの解決には開明思想の定着が必要であり、
若者が支えきれない老人大国という幻想を払拭してかからないと先には進まないでしょう。
老人にも働く権利と場を提供し、全ての年代で国民の福祉を支えることが必要になってきています。
そのためには、既得権としての年金を柔軟化・再設計するなどの抜本策も必要です。
いま、問題になっているJALの年金基金問題なども、会社が生きるか死ぬかの瀬戸際にあって、
なお二階建ての企業年金権利を主張する姿は醜くく、少なくも未来志向ではなく単なる保身としか言えないのではないでしょうか。若者の月給を大幅に超える企業年金を給料の後払いだと主張する論理は破綻している会社の名誉あるOB社員のものだろうか。
会員広場は、
危惧された自然消滅状態に入ってきたと思います。
「しんとしている世相には、落胆です」、とのご感想ですが、
会員広場の参加者がやっと二桁ですから世相も何もどうにもなりません。
三桁にしないと騒々しくはなりません。
ここらで、会員広場に対して、一橋人として何をなすべきかを参加者一人一人が考えなければいけないと思います。
一個人としては、来年はすこし別の仕組みを考えてみたいと思っております。
如水会事務局には限界があり、それを補完的・発展的に進めていく責任は私たちにあるのではないでしょうか。
活発なご議論の切っ掛けとなれば幸いです。
皆様、良いお年を。
来年も良い仕事をしたいと思っております。
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2010年1月2日
桜井利夫様
山崎(S16学後)です。
どうもありがとう。
NHKは「坂の上の雲」を
12月の日曜に5:30pmBS−H、8:00pmCH1,10:00pmBS2と次の土曜1:05pmCH1と4回放映しました。
視聴率は解らないんではないでしょうか。
概して大人は見ているが、子供(若い人)は見ていない感じです。
若い人に見て欲しい と思うんですが。
何よりも是非原作を読んで欲しいです。読むうちに逐次引き入れられてゆく、興味深深たる作品と思います。
貴メール感慨深く拝承。
日本がユートピアに近づくように祈ります。
よろしく。
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送信者: "中康二"
宛先: "会員広場"
件名 : 「坂の上の雲」視聴率
日時 : 2010年1月4日
山崎さん、桜井さん、あけましておめでとうございます。
私、すっかりTwitterのとりこになっておりまして、
こちらはご無沙汰しておりました。
坂の上の雲については、
Twitter上でも推薦する人が多く、
興味は持っていたのですが、
視聴するまではいたらず、今日に至っております。
日本をよくすること、
再度日本を元気付けること、
大変大事なことですし、
年もあけてそういう機運が新聞紙上などでも
上がってきていると思いますよ。
今日の日経新聞の今井先生の経済教室はよかったですね。
悪い部分は悪い部分として認識しながらも、
日本のよいところを伸ばしていこうという
メッセージと受け取りました。
みんなで不景気だ不景気だと
文句ばかり言っていても始まりませんし、
政治のせいにしてばかりしていられません。
僕もがんばりたいと思っております。
今年も一年間、よい年にしていきましょう。
今年もよろしくお願いします。