送信者: "Edward Chang"
件名
: 啄木の歌
日時 : 2010年1月29日


Dear Yamatan,

お元気ですか。
トロントは氷点を上回る温度でホッとして居ますが、長続きしないでしょう。
まだまだ零下20度の日を幾日か過ごさないと、春遠からじの希望は持てません。
冬ごもりの暇暇に、貴兄は和歌が好きだったと思いだしました。
小生も読むだけは楽しみました。


啄木の歌を見聞きしたまま今でも幾首か暗記しています:


「その昔小学校のまさやねに 我が投げし毬 いかになりけむ。」 

「石をもて追わるるごとく故郷を 出し悲しみ消ゆることなし。」

「働けど働けど わがくらし楽にならざり じっと手を見る。」 

「かにかくに渋民村は恋しかり 思い出の山 思い出の川。」

「最果ての駅に降り立ち 雪明かり 見知らぬ町に歩み入りにき。」



啄木の親友だった若山牧水にも傑作が有りました:

「いく山河 越えにし行かば侘しさの 果てなむ国ぞ 今日も旅ゆく。」

「船なりき 春の夜なりき 瀬戸なりき 旅の女と酌みし杯。」



ジェットとインターネットの今では夢のような世界でしたね。

ED