如水会々報・平成6年(1994年)6月号No.770 クラス会通信より

 十二月クラブ月例会報告
                       4組 樽 央也君記

十二月クラブ

四月例会 四月十二日(火)正午
場所 如水会館 松風、桜の間

 今月は四組と芸術鑑賞同好会との共同企画による映画鑑賞会を行ぅこととしたが、青春時代を懐かしんでか、出席者は会員36名、準会員13名、家族12名、計61名と言ぅ月例会としては近来に無い盛会となった。松風の間に於ける食事並に会員の動静、行事連絡の後、映写準備の整った桜の間に移った。
 
上映に先立ち二見幹事より、昭和五十年に塩川精君(6組故人)と小林君が打合せて、「舞踏会の手帖」を手初めに「パリ祭」「女だけの都」「地の果を行く」「ゲームの規則」「未完成交響楽」等毎年のように京橋の国立フィルムセンターで鑑賞した記録があるが、今回はそれ以来の試みである
 
本日上映する映画は先般会員より昔懐かしい外国映画のベスト3を選んでもらった中から、上映時間の関係もあり、昭和14年我が国 で初公開されたジユリアン・デュヴィヴィエ監督、ジャン・ギヤバン主演による「ペペ・ル・モコ」とした。との説明があった。

 次いで小林幹事より該博な知識を傾けて「ペペ・ル・モコ」の解説が行われたが、同君によると監督のデュヴィヴィエは「白き処女地」でジャン・ギヤバンを掘出したが両人とも第二次大戦が勃発すると共にアメリカヘ亡命した。
又フランスの監督はハリウッドの監督と違って、絶望的な男の心理を描くのに巧みであったとのことである。

「レーザー・ディスク」により大型のスクリーンに映し出された白黒映画は鮮明で迫力があった。
純一時間半の上映の後、画面は警察に捕らわれ、手錠を掛けられたペペが波止場の鉄柵越しに声の限りに惚れた女ギヤビーの名を呼ぶが、汽笛があらゆる音をかき消してギヤビーに声は届かず、彼女を乗せた船は港を出て行くと言うラストシーンで終わる。
 
映写終了後有志四十数名が14階の一橋クラブに移り、お茶を飲みながら映画の余韻を楽しみ、4時解散した。   (樽 記)