俳壇往来
12月クラブ通信
平成16年(2004)4月号第116号より
4組 中西光技
たそがれて なお飄々と からす瓜
シャンソン流る あとからあとから 枯葉舞ふ
福寿草 あまねき日差し 分かちあふ
寒紅梅 陽の向き風向き 知りっくす
(新年家族懇親会にて)
叱られた 想い出ばかり 父母もなし
とっとっと 大正遠しつばくらめ
身に沁むる 唄声愛かなし 早春の宴
坂本詩朗句集(万緑のなか走る)より
落葉期 ちらと見えしは 春の息
強かに 生きて初冬の 丘を越ゆ
人界は 醜くし天界 春の雪
春眠の 甘さに溺れ 深息す
波うらら 雛の愁いを まぶしくす
黒石豊子(6組 故磯村玉三君の妹)
蕗の臺(とう) 懐紙ひろげば 転がり出
涎(よだれ)掛 かさねて梅雨の 地蔵尊
春寒や 廊歩す夫に 肩貸して