我が家 の 桜物語                     5組 山崎 坦



私のうちの植木には、子供や孫の名前がついています。
この桜は「よこちゃんざくら」とよんでいます。
年を経て、毎年春になると、かくも美しく開花いたします。
人は皆この花を愛でてくれます。

「落花の雪に踏み迷う」というように、散った花の掃除は、家人がやらねばなりません。
もっと大変なのは、秋の落葉掃除です。

幹は育って枝を隣家の庭にかざしました、「領分に侵入した枝は切ってくれ、」と言うのです。
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」と言うではありませんか。
残念ながら切りました。
道行く人は「何で切るのか」といぶかりました。
それでいて隣人はベランダで、お花見をするのです。

この木は区の保護樹になっています。
しかし、区は私人間の紛争に巻き込まれないよう、腰が引けています。
そのくせ、植木の剪定がよくないと言うような批評を送ってきたので、憤然として、従来区とも相談したこと、植木のメンテナンスに費用をかけていること、を植木屋の領収書同封で書き送ったところ、区の担当官が釈明にやってきました。

この木は長期にわたって我が家の歴史を眺めていますから、まだまだ沢山のエピソードを知っています。
嬉しいこと悲しいこと、尽きません。   いずれまた。

                                                      (以上家内の検閲済みの分のみ)