学生時代の世相の一端 流行歌 「昭和維新の歌」改題「青年日本の歌」

Sat, 20 Sep 2003  1組 松村次郎

   8月27日附「学生時代の世相の一端」と云ふ題名で、流行歌を軸に過去の世相を 回想して見ませんか
に応じて私が学生時代に最も愛唱していた歌と云えば

「昭和維新の歌」現在は「青年日本の歌」と改題されています。
昭和7年海軍中尉三上卓作詞作曲のものです。

彼は我々時代の人間は殆ど知っている5.15事件以降2.26事件に到る迄の事件に凡て参画していた仁。
其の歌詞は泉鏡花張りの美辞麗句が 鏤められていて、今日此の頃の学生では思いも寄らぬ、或いは読むことさへ 覚束ない、ましてや意味も判らぬのでは無いかと思はれて、嘆かざるを得ません。

一番から十番迄在りますが、余り長いので、亦我々が歌っていた頃は大体四番迄だったので、其れを下記します。

   1. 泪羅の淵に波騒ぎ   
      巫山の雲は乱れ飛ぶ
      混濁の世に我れ立てば 
      義憤に燃えて血潮涌く    
    2.権門上に傲れども   
      国を憂うる誠なし
      財閥富を誇れども
      社稷を思う心なし
     3.ああ人栄え国亡ぶ
      盲たる民世に踊る
      治乱興亡夢に似て
      世は一局の碁なりけり
     4.昭和維新の春の空
      正義に結ぶ丈夫が
      胸裡百万兵足りて
      散るや万妥の桜花

現在の世相に通ずる処もあるように思われます。
2.26事件以降此の歌は歌うことを禁止されましたが秘かに歌われていたものでした。
此の歌詞は今読み返しても当時の青年の国を憂うる心が伝わってきますし、 今日を嘆く我々にも通ずるものが有ります。