[From: "yamazaki hiroshi" 返信
To:"Ed Chang"
Date: Thu, 12 Feb 2004
Dear ED,
「ゼミナール」は十二月クラブ・ホームページの左枠の緑色バナー上から9番目の
「卒業アルバム」をクリックすると出ます。順次クリックしてゆけば目的の「ゼミ」
が出ます。
カント200年忌のお話ほか、興味深く拝読しましたので、同文を十二月クラブML
(jdc-ML) ならびに如水会ネットML(jfn-ML)にも転送、さらにHP「新論文・随筆」(トロント
便り)に入れておきたいと思います。
なお翻訳ソフトはロゴヴィスタオンライン翻訳サーヴィス http://e-trans.logovista.co.jp/index.html
という8ヶ国語のものを探し出しましたが、(もっといいのが あるかもしれません。)
ドイツ語はもひとつうまく使えません。 ではまた。よろしく。YAMATAN
----- Original Message ----- From: "Ed Chang"
Sent: Thursday, February 12, 2004
Subject: トロントだより: 絵で見るドイツの今昔
Dear Yamatan,
どういうルートで、ゼミナール別の消息が見られるか、教えてください。
先日『吾妻ゼミ』収録の通知で、ドイツ語の翻訳ソフトを使ったと伺いましたが、
便利なものが出来ましたね。 我々フランス語組は予科時代、4対2の優勢を誇るドイツ語組に圧倒されて、彼等がヘッセやゲーテを語るのを聞いて、「門前の小僧」の如
きもどかしさを感じたものでした。 カナダに来てから職業柄、ドイツ語が読めるようになりたいと思い、テキ
ス トやテープを集めて独修しました。 複雑怪奇な文法は一応こなしましたが、記憶力
鈍化には逆らえず、今でも同一の単語を二度も三度も辞書で引く始末です。 トロントの冬は永いから、頭まで冬眠しないようにと、近所の図書館から
フランス語やドイツ語の週刊誌を借り出して読む努力をしています。
ハンブルグか ら出ている総合雑誌シュピーゲル(Spiegel)は、毎週150ページ、時には 250ページの分厚さです。 とても全文を読みこなす語学力をもちません。 幸いに、各ページとも平均2ー3葉のカラフルな写真が着いて居るので、 その説明や図表の解説を頼って、本文の大意を攫んでおります。 余計な物好きなんですが、ときどき思わない発見があるので、つい苦労を忘れて継続しています。
2004年1月の第1号と第3号に、興味の有るカバーストーリーが出て いましたので、ご参考までに表紙の絵をそれぞれスキャンして茲許アタッチ致しま
す。
* アタッチメント(1): 偶々本日(2004/2/12)は、哲学 者 > インマヌエル.カント没後200年忌に当たるとのことで、彼の思想、業績、影響 などについて15ページの概説が有るほか、表紙にこの絵が出ていました。
「わが 頭上には星煌めく空、わが心には道徳の規範」というカントの言葉を掲げておりま
す。
われわれの予科時代、デカンショ、デカンショと歌いましたが、残念なが ら、
岩波叢書の「純粋理性批判」は歯が立たなかったので敬遠しました。 併し、ドイ
ツ 人にとっては、カントの哲学はゲーテの文学と並んで、ドイツ文化最高の象徴と言
えるのでありましょう。 生まれ故郷のケーニッヒベルグに立て籠り、子弟の教育に
一 生を捧げたカントは、疑いなく絶代の宗師でありました。
** アタッチメント(2): 上記の誇らしい絵に比べて、この絵は現 在 のドイツの大学制度に警鐘を打っかのように見受けられます。 表題には、「高く つ いた『安い大学』:解決法は学費徴集か?」とあります。 絵に見える大学正門は 映 画のセット、裏に見える校舎はおんぼろ、学生達は一糸纏わずに素っ裸で校門から 飛 び出す、という風景を見て、これがカント200年後のドイツの大学かと、呆れざ る を得ません。
本文の図表を見ると、大学生の数が1980年の94万人から、2003 年
に203万人に増加している一方、学生ひとり当たりの国家支出は、13000
ユーロから9900ユーロに下がっています。 「過労に悩む教授たち、お粗末な研
究、低迷する学生、落ちぶれた校舎と、国家予算の補助減少とが重なって、今ドイツの
大学は正に崩壊に直面している」と論じています。 ドイツが教育の面で問題を持っているのは、大学に限らないようです。イ
ンターネットの消息に依ると、昨年OECD機構が主催した”Pisa−Test”
で、 50近い国家の15歳の学生、各5000乃至10000名に対して、数学、科学
の能力テストをしたところ、ドイツの総平均は、20位以下とのことでした。 (数
学 > の一位は日本、科学の一位は韓国とか) ゲルマン民族も些か変わりました。
ED
*アタッチメント(1)
**アタッチメント(2)