１組　橋本小夜子

　

年齢と共に心身に衰えを感じるようになり何か運動をしなければと思っていました。幸い近くに杉並区立の福祉センターがあり、地下の立派な体育室を利用して太極拳を教えて下さるとのことで参加しました。 　会員は八十才台のお二人を含めて中高年の男女二十名程です。ゆっくりした呼吸と動きですが一時間続けると、心地良い汗が全身を潤うようになります。 　導引保健功（ダオイエンパオジュンゴン） 　疏筋荘骨功（スウージンズァングウーゴン） 　平血功　（心臓、高血圧に良い） 　十二式気孔　二十式　二十四式といろいろとあり、呼吸法と共に顔も手も足もそれぞれに違う動きをしなければならないので覚えるのも大変です。数ある演目の中で八段錦という気孔があり、その特色は屈伸や捻転などの動作がすべて深呼吸と結びついていることです。この気孔は内臓の調整や強化に役立つとされています。すべての動きのあと、呼吸をととのえ体の力を抜き両手を丹田にあて軽く目を閉じ精神を集中させます。素敵な音楽が流れる中、講師の先生の張りのあるお声がひゞきます。 　　美しき花も恋がれる人こそは 　　　花にも似たる心もつなれ 　　皆さん　人生は一度きり 　　　流れる水はくさらずです 　　毎日　精神を明るくもって 　　　朗らかに　楽しく 　　苦しいこと　悲しいことあったなら 　　　忍耐　努力 　　身も心もゆるめて　病をなくし 　　　いつまでも若さを保って 　　ますます元気で長生きされることを 　　　　祈ります。 　美しい調べと共に余韻を残して、八段錦は終ります。この気孔のあとでの先生のお言葉が私はとても好きです。 　「人生は一度きり」ずしりと心に感じるものがあります。考えてみると、私の人生は沢山の方々のお助けや支えでここまで過すことが出来たと思い、本当に有難く感謝の気持ちで一ぱいです。 　これからの残りの人生を、この言葉のように精神を明るくもって、つねに感謝の心で送りたいと願っております。