思い付くままに 4組 阿波博康

 

1.不趣味を嘆く

 齢80才の峠を越えてから体調とみに弱り月に2、3回医者通いの他毎日することもなく、白内障のあと目も疲れやすいので読書も長続き出来ず暇を持て余している。会社生活50余年仕事一筋に生きてきた過去に何の不足も無いが、こんな事なら若い間に何か趣味を作っておけば良かったと今更の様に後悔している。

 持てる趣味は下手なゴルフとドライブぐらいで、ゴルフは先日軽い肋骨骨折以来ドクターストップ、ドライブは白内障手術で視力も何とか合格したが、遠出は年に3、4回位でそうそう出掛ける訳にも行かず時間を持て余している。

2.クラブの会合

 そんな中で12月クラブの会合は何よりの楽しみであり、東西懇親旅行会、記念会、新年懇親会は欠かさず参加に努めている。自宅が関東であれば毎月何かの会に出席出来るのにと残念でならない。その代わりに関西支部の懇親会を春秋2回大阪淀屋橋の一橋クラブで開き、支部の会員も他界、病気、東京転出で年々減少しているが、本部から新井名誉幹事や光永、戸部、宮城、松田の夫人連が交互に応援参加され、毎回12、3名の楽しい会合が持てて幹事役としても楽しみにしている。

3.転んでからの杖

 昔から『転ばぬ先の杖』とよく言われクラブの会合でも杖に頼る仲間を見て、自分はまだまだ元気で杖等不要と思っていた。ところがこの3月中旬近くの植物園を散歩していて急な石段を登り損ねて横転し、背中を強く打ってしまい外科医の診断でレントゲン写真に肋骨の骨折がはっきり写っていてびっくりした。そこで色々と検査の結果骨粗しょう症で骨全体が脆くなり何時でも骨折の危険があると診断された。そのせいか最近とみに足腰が弱くなってきて近くの散歩でも杖無しではなかなか前に進めずよろめきそうで残念でならない。しかし骨折の方は6月に入って痛みもおさまりコルセットもとれて殆ど不自由も無くなった。

4.国内旅行の楽しみ

 年に一回位の海外旅行に出かけるのを楽しみにしていたが、前にも書いた様に震災後のカナダ旅行で素晴らしい景観に感激していたが、最後の夜にレストランで出口を東と北を間違え夜更けのバンクーバーの街を小一時間もさ迷った為体の弱い家内はすっかり参ってしまって、もう海外は懲り懲りと何としても出掛ける気に成らず、やむをえず車で行ける国内旅行に切り換えた。幸い現役の頃からジャンボオーナーホテルとダイヤモンドクラブの二つのリゾートクラブに入会していたので、全国30ケ所位のホテルは安直に利用出来るので便利している。行く先は信州、北陸、北関東、和歌山、白浜、淡路島等に限られている。温泉宿も結構あって夫々に割りとましなホテルなので助かっている。只行く先が限られているので見て歩く場所も無くなり閉口である。

5.転居の悪癖

 商大6年間に一橋寮、下宿を点々と8回も変った癖は社会人に成っても相変わらずで、下宿、社宅、間借り、親戚同居、自宅新築3回と7回目でやっと阪神間に思いどうりの我が家を得て20年になる。鉄筋のマンションが好みに合わず、庭付きの一戸建てのみに住んでもう40年にも成ろうとしているが、夫婦2人共高齢になり、体調も弱ってきてぽつぽつこれからの2人きりの生活を考えねばと思っている。

 これまでに3、4ケ所の老人ホームを見学し施設やサービス面の検討を重ねたが、最終的に経営主体の信用に疑問を持ち諦めていた。昨年の秋六甲アイランド City に計画されたメディケアサービスマンション(分譲)の資料を見てs甲南病院の経営、ナースコール、健康診断、訪問介護等を実施し、大浴場、レストラン、共用娯楽室等も完備され、医師、看護婦も常駐し構内には『老人保健施設』や『訪問看護ステーション』も併設され今までの老人ホーム以上のサービスが分譲で手に入るので、苦手のマンションではあるが思い切って契約した。このクラブ通信が皆様の手元に届く頃には新しいマンション生活に入っている事と思う。同じアイランドの西地区には6組の高木正治君も居て楽しみである。