●質疑応答(1)
Q:受刑者同士の会話について、どのような規制があるのか。また、受刑者と刑務官の間の会話について何らかの規制があるのか。
A:作業中の会話は原則として禁止されている。もっとも、作業に関わる内容なら会話を認めている。昼食及び夜9時までの休憩時間の会話は原則として禁止。ただし房内での会話は認めている。
職員(刑務官)が受刑者に対して作業に関係のない会話をすることは、原則としてしないように教育するようにしている。今は「管理体制の強い時代」かも知れない。もっとも、これは若い世代の職員が受刑者に丸め込まれる可能性があることにもよる。ただし、この点については刑務所毎に対応が異なる部分もある。
Q:覚せい剤依存の受刑者について、何らかの働きかけを行っているか。
A:刑務所職員が処遇類型指導を行っている。例を挙げると、覚せい剤指導、暴力団離脱指導、酒害指導など。覚せい剤指導については、ロールプレイやロールレタリングなどを行っている。また、これらの指導については少年院の教官に来てもらうこともある。酒害指導の場合は、Alcholic Anonymousの支部の人が来て指導することもある。なお、施設によっては常習財産罪、性犯罪についての指導も行っている。
Q:受刑者が裁判の被告人あるいは証人になるとき、受刑者の身柄はどのように裁判所へ移すのか。
A:検察官による移管依頼指揮発動がある。また裁判所による召喚状の発付の場合もある。
Q:受刑者が読む新聞(通常紙)について、なぜ一紙のみなのか。
A:通常紙は嗜好調査によって選ばれた一紙を扱う。なぜ「一紙のみなのか」ということだが、これはおそらく新聞の内容をチェックするのが大変だからだと思う。もっとも、私費であればスポーツ新聞や特殊新聞の購入は認められている。
Q:入浴の回数及び時間はどれくらいか。
A:7月から9月は、入浴は週三回。それ以外の時期は週二回。時間は15分間で、その間の時間の使い方は自由。ほかに、工場の手洗い場での手足の洗浄が行われている。
Q:未決拘禁の者についても、手紙の内容のチェック及び枚数制限などは行われているか。
A:府中刑務所では、未決拘禁者は現在のところいない。もしいる場合であっても、手紙の内容チェックは行う。逃亡防止の目的で。もっとも、手紙の枚数制限はない。
Q:刑務作業について、作業の契約を民間企業とする場合の形態・現状如何。
A:不景気で契約を取り付けるのが難しい。現在は53の業者と契約している。契約は、労務提供という形で行われ、「1時間あたりいくら」「製品一個あたりいくら」という内容になっている。CAPIC系のものは全体の約20パーセント。印刷関係の作業はすべてCAPICによる。
(文責:緑大輔・二期生)
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