〜7月4日府中刑務所参観について〜
文責 後藤ゼミ N.H
● 事前説明
1 施設の概要
施設名 府中刑務所
所在地 東京都府中市晴見町4丁目10番地
連絡先 042-362-3101〜4
沿 革 配布資料「施設のしおり」参照
設 備 構内面積 262,055u
組 織 同「施設のしおり」参照
2 収容状況
@全国の状況;約57000名を収容中(過去最多)
←平成4年;45000名に比して、12000人の増加。
経済不況の長期化が原因か。
・収容率100%超の施設も見受けられるが、全国的に見ると、定員ではまだ6000人程度の余裕がある。
・外国人受刑者の増加。平成3年(250名)よりも1300名以上増え、現在1600名を数える。38ヶ国にわたる。
A府中の状況;定員2600名のところ、2367名を収容中(91.1%)
処遇にあたる刑務官その他の職員は、517名。勤務は実働16時間の変則4交替勤務。(泊→非番→日勤→日勤)
3 受 刑 者
・B級(犯罪傾向の進んでいる者)
F級(外国人受刑者=foreigner)
@ B級受刑者について
・年齢等のデータ
平均年齢46歳、平均刑期2.6年、平均入所経験回数5.0回
・犯した犯罪
窃盗、覚せい剤取締法違反(35%)、殺人(2%)、強盗(5%)
その他詐欺、傷害、銃刀法違反など。
・特徴
47%が暴力団構成員等の組関係者で、悪質な者が多い。10回以上入所経験がある者も、10%を数える。A級は初犯又は改善の見込みが高い者を言うが、初犯でも、暴 力団関係のばあい、B級にランクされることもある。
※参考;受刑者の分類
犯罪傾向が進んでいるか否かでA級とB級に分ける。さらに、刑期が8年以上の者には冒頭にL(Long)を、若年犯罪者はY(Young)をつける。外国人はF級(Foreigner)。精神障害の受刑者はM級(Mental)、エイズ・結核に罹患または、人工透析を要する受刑者はP級(Phisical)。このうち府中が受け持つのは、B,F,M,Pの各級である。例えば、LAは千葉刑務所、LBは、宮城・岐阜、YAは川越、YBは水戸・松本が専門。M,Pは八王子医療刑務所が専門だが、府中刑務所は医療重点刑務所に指定され、八王子医療刑務所を補完し、医師は9名、看護士、臨床検査技師が配置されている。
AF級受刑者について
・年齢等のデータ
平均年齢36歳、平均刑期5.6年、平均入所経験回数1.0回
・犯した犯罪
殺人(14%)、強盗(15.2%)、その他大麻取締法違反など。
・国籍
80%がアジア系。(中国、イラン、フィリピン、韓国、パキスタンの順)
10%がヨーロッパ系、2%アフリカ系。
・特徴
殺人、強盗等の凶悪犯が多い。
BF級の処遇における配慮点
・国際対策室を設置;通訳、信書の翻訳(7名の通訳)
→他所からの翻訳依頼にも対応。
→検閲するために翻訳する。
cf)検閲の目的;拘禁を害する事項(逃走計画)のチェック。
受刑者の心情把握とそれに基づいた処遇。
・テレビ電話による面会通訳方式
→東京拘置所、栃木刑務所、大阪刑務所と府中を結ぶネットワークが存在。
・宗教的慣習などへの配慮
・食事への配慮;パンでも良い。みそ汁にかえて、スープを出す。
・生活への配慮;ベッドを房に入れる。
→独居房の方を好む傾向があるが、1300名分しかないので、集団生活に適応できる者は、雑居での処遇も試みている。
