経営戦略の論理
★基本情報 |
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★ゼミテンによる紹介 |
初版は1980年。第2版は1984年。そして20年経った2003年に出た第3版です。
日本人が書いている経営戦略の本としては定番中の定番。
amazonのブックレビューの平均点の高さがその評価を物語っているといえるでしょう。
さて、本題に入りましょう。
ゼミでは何章かごとに区切って、「ミクロ経済学」のときと同じように疑問点を各自考えます。
そして、「Exit, Voice and Loyalty」のときと同じように、本の論理の適用例を探します。
まさに、1年間のゼミの集大成といっていいでしょう。
さて、この本の内容ですが、基本的に戦略の「ストラテジック・フィット」を軸に進みます。
戦略の現実とのマッチ、そしてその論理をとき進めていきます。
この本では、顧客適合、競争適合、ビジネスシステム適合、技術適合、資源適合、組織適合に分類されています。
そして、これらの戦略的適合が生まれる背後には何があるのか、の論理の説明がなされています。
そして、この本で初版からずっと最重要箇所であるのが、「見えざる資産」 という考え方です。
「見えざる資産」すなわち情報的経営資源。
例えばブランドであったり、技術力であったり。組織風土、熟練やノウハウ。そして、顧客からの信頼などもそうです。
そういったものを作り出し、活用し、さらに生み出し、強化していく。
こういった「情報の流れ」、そしてその情報自体の質がその企業の強さを表しているといってもいいでしょう。
3版になってその見えざる資産の説明の章は後ろの方になりましたが、依然重要性は変わりません。
そして、3版になり、事例が大幅に新しくなりました。
普遍性のあると判断されたものは変わっていないですが、 最近のヒット商品などにも触れられています。
前の版と読み比べてみると、やはりわかりやすさが段違いです。
世界を代表する経営学者の一人であるミンツバーグも「戦略サファリ(近日紹介予定)」で
この本を「意義深い小著」と評しています。
コア・コンピタンスなどにも繋がる「見えざる資産」の考え方にはぜひ触れておくべきでしょう。
そして、経営戦略の中に確かにある「論理」についてこの本を通じて理解を深めることをぜひお勧めします。