最近私が感銘を受けた本

『戦場のピアニスト』
        ウワディスワフ・シュピルマン著、佐藤泰一訳、春秋社、1500円(税別)


 1930年代の末、ポーランド・ワルシャワではポーランド人もユダヤ人もカフェで行われるピアノやヴァ イオリンの演奏と珈琲を楽しむのどかな生活を送っていた。
 ところが、1939年9月1日ヒトラーのナチス・ドイツは突如ポーランド侵攻を行い、瞬く間にポーラン ドはナチの占領下に置かれてしまう。暫くは、ユダヤ人への迫害は未だなかったが、1940年11月ワルシ ャワのユダヤ人はゲットーに閉じ込められ、ゲットーの門は閉じられた。そして、民族の浄化の名の下に、ユ ダヤ人に対する殺戮と抹殺が始まるのである。
 本書の筆者は、当時ワルシャワのカフェでピアニストの仕事をするほか、ポーランド放送局でも