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11期生 藤田 芳

中古マンション市場における価格形成要因の実証分析

 住宅は大変高額であることから、その購入には慎重な判断が必要とされる。おそらく多くの家計にとって、保有する資産の中で最も多くの割合を占める資産といっても良いだろう。また住宅問題は政治や景気にも直結し、大きな問題に発展することもある。たとえば1990年代のバブル経済の崩壊とその後の不況は株・不動産などの資産価格の下落により生じた負の資産効果が一因となっていることが広く知られている。また、アメリカの低所得層向け住宅ローンであるサブプライムローンの焦げ付きとその拡大が今日の金融危機の大きな原因となっていることも記憶に新しい。
 また、住宅は市場で取引される財のなかでも極めて特徴的な性質を持っている財だといえる。さらに住宅は一生のうちで最高額の買い物であるといっても差し支えない。住宅は生活するうえで必要不可欠なものであるので、購入に際しては、融資を受け、長期間にわたって返済していくことが一般的である。そのため、住宅購入は家計によって異なるいくつかの基準から、より慎重な判断をもとに行われているはずである。このような理由から住宅が持つ複数の特性が市場でどのような評価を受け、住宅価格に反映されているかを実証分析できないだろうかと思い至った。そこで本研究では、首都圏の中古マンション市場を対象に、住宅価格の決定要因に関して仮説を立て、ヘドニック・アプローチによって実証分析を行う。

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