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　情報関連産業においては製品に付与される情報の質や量、つまり情報コンテンツの内容がその財の付加価値に大きく影響している。そういった情報コンテンツ産業においては、情報コンテンツを利用できる規格や標準が非常に重要となる。このような産業において企業が自社の製品をデファクトスタンダード（事実上の標準）として確立する事は、競合他社に対する優位性を保つ為にも非常に重要な戦略となる。
　そして、デファクトスタンダードの確立を議論する際によく指摘されるのが、ネットワーク外部性（Network externalities）の存在である。本研究では携帯ゲーム産業を対象としネットワーク外部性の間接効果の検証を行った。携帯ゲーム産業における2製品（ニンテンドーＤＳとプレイステーション・ポータブル）の製品データを利用し、ＶＡＲ（ベクトル自己回帰）分析により回帰分析した。
　分析の結果、ニンテンドーＤＳではネットワーク外部性が検証された。一方、プレイステーション・ポータブルでは検証されなかった。これはニンテンドーＤＳがプレイステーション・ポータブルよりもシェアで勝っている現実と理論的に整合的であり、ネットワーク外部性が携帯ゲーム機産業における企業の競争優位性の源泉の１つとなりうる事を示すものである。