15期生 古野 優太郎
愛は統計では測れない
-男性芸能人の結婚の効果に関する定量的分析-
婚後のパフォーマンスの変化に焦点を当てた先行研究は、さまざまな分野や地域を対象にしているものの、近年増加しているいわゆる「できちゃった結婚」や、また夫婦の年齢の差を考慮していない。そのため本稿では、2001年から2010年までの日本の芸能界を分析対象とし、男性芸能人の結婚後のパフォーマンスの変化を、結婚相手の属性、「できちゃった結婚」、年の差結婚を考慮し、特定の結婚のパターンの効果について仮説を設定せず、事実発見型の分析を行った。
しかし、属性、「できちゃった結婚」、年の差結婚ともに有意な結果を導き出すことができなかった。その問題点として、結婚における個人間の違いの大きさ、被説明変数として用いたCM出演数の妥当性、また芸能界・CM業界の特殊性を十分に考慮できなかったと考える。本稿では上記を踏まえ、今後の課題として分析上の問題点や課題を論じた。